ロシア議会下院(国家院)は、1月または2月に仮想通貨規制に関する法案の審議を行うと、下院金融市場委員会の委員長が1月14日に通信社TASSに語った。

アナトリー・アクサコフ委員長は、仮想通貨やトークンなどデジタル資産に関する法案について、クラウドファンディングや投資プラットフォームに関する法案および民法改正案ととともに議論すると語った。時期は「1月から2月だ。2月には当然議論されるだろう」という。

今回のアクサコフ委員長の発言に先立ち、国家院のヴャチェスラフ・ボロディン議長は1月9日に議会の春季会期の期間に、仮想通貨に関する法案に焦点を合わせるように下院議員に要請した。ボロディン議長はまた、新しい法案の議論をスピードアップさせるため、専門家や起業家、研究者によるワーキンググループの創設も提案した。

ロシアの仮想通貨規制法案の審議は、昨年来、停滞している状況だ。ロシア財務省は18年1月に規制法案の草案を発表。その後、昨年5月に下院の第一読会(第一段階の審議)を通過した。しかし、この法案については、仮想通貨やマイニングに関する定義に不備があるとの批判が巻き起こり、法案は第一読会に送り返された

またロシア政府内でも、仮想通貨の犯罪利用について厳しい立場を取る内務省が規制の厳格化を求める一方で、経済発展省は規制厳格化に慎重な姿勢を見せている。

政府レベルでの議論が停滞する中、ロシアの産業界からは仮想通貨規制法案の代替案も浮上。ロシア産業企業家同盟のロビーグループが代替案を作成し、11月にはメドヴェージェフ首相に代替案を提出した。