未上場企業の株式を取引できるプラットフォームを提供していたリンクト(Linqto)が7日、米国で連邦破産法第11章(チャプター11)の適用を申請した。申請先はテキサス州南部地区連邦地裁で、同社はリップル株を470万株保有しているが、リップル社との直接的な事業関係はないとされている。

直前の週、リップルのブラッド・ガーリングハウス氏はXで、リンクトが保有するリップル株はすべてセカンダリーマーケットで取得されたものであり、両社にはビジネス上の関係は存在しないと強調していた。

「リンクとは株主であるにすぎず、当社との事業関係はこれまで一切なく、資金調達ラウンドにも関与していない」とガーリングハウス氏は投稿している

リンクトの申請書 Source: Epiq

リップル株の正確な評価額は不明

リンクトの広報担当者は、リップル株をいつ購入したのかについての詳細を明かしていない。

未公開株取引プラットフォーム「フォージ」のデータに基づくと、セカンダリーマーケットにおけるリップル株の価格が95.5ドルとなっており、リンクトの保有分は約4億5000万ドル相当に達する可能性がある。

しかし8日に裁判所に提出された書類によると、同社の私募証券発行会社リキッドシェアーズは、111社から発行された証券を保有しており、その公正価値は5億ドルを超えると推定されている。

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Ripple’s share price on the secondary market. Source: Forge

未公開株のセカンダリーマーケット最大手の一つであるエクイティ・ゼンの共同創業者フィル・ハズレット氏は、現在リップルが行っているとされる7億ドル規模の自社株買いにより、リップル株の二次取引はほぼ停止状態だと指摘する。

「今回の自社株買い以前、リップル株の価格は1株あたり70〜75ドル程度で推移していた」とハズレット氏はコインテレグラフに語った。

リンクト側は、リップル株保有の正確な評価額についてコインテレグラフに対して明確に答えていない。記事執筆時点で、リップルからのコメントも得られていない。

連邦捜査と破産報道

リンクトの破産観測が浮上したのは6月30日。ウォール・ストリート・ジャーナルが、同社が連邦当局による捜査対象となっており、破産申請の可能性があると報じたことがきっかけだった。

報道によれば、社内調査の結果、「リンクトの顧客は、自分が所有していると思っていた証券を実際には保有していなかった」という証拠が見つかったという。

さらに同社は、未公開企業の株式を購入する資格がない可能性のある顧客に対してもサービスを提供していたとされている。

リンクトの新CEOダン・シシリアーノ氏は、「旧経営陣の業務慣行には深刻な問題があり、一度限りの小さなコンプライアンス違反などではなかった」と語っている。

前CEOウィリアム・サリス氏は、リップル株を取得価格の60%以上高い価格で、リンクトのユーザー1万1000人に販売しようとしたとされ、これは米証券取引委員会(SEC)が禁止している10%超のマークアップに該当する可能性がある。

リンクトはすでに3月13日にプラットフォームを閉鎖しており、収益事業を停止している。SECは現在、リンクトおよびその関連会社に対する違反調査を継続中とされている。

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リップルは2024年に関係を断絶

リップルは2024年後半から、リンクトによるリップル株の取得を拒否するようになっていたとガーリングハウス氏は説明している。このタイミングは、金融業規制機構(FINRA)がリンクトのブローカーディーラー部門「リンクト・キャピタル」の審査を完了した時期と一致している。

Source: Brad Garglinghouse

さらに、同社の元最高収益責任者ジーン・ザヴロトニー氏は、リンクトおよび前CEOビル・サリス氏、元幹部ジョー・エンドソ氏を相手取り、重大なコンプライアンス違反と報復行為があったとして訴訟を起こしている。

なお、今回のニュースは、リンクトがリキッドシェアーズによるリップル株の保有内容に変更があったとの報道に反論した直後に伝えられた。

「Xに投稿された一部報道とは異なり、リンクトはリキッドシェアーズによるリップル株の保有に変更はないと確認しており、先週リップルからも同様の確認がなされた」と、同社は声明で発表している。

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