リップルは、ノンバンク系プライムブローカーであるヒドゥン・ロードの買収を完了し、その名称を「リップル・プライム」に変更した。今回の取引はリップルにとって最も重要な買収のひとつであり、同社の事業領域をデジタル資産分野の枠を超えて大幅に拡大するものとなった。

リップルによると、同社は複数資産を扱うプライムブローカーを所有・運営する初の仮想通貨企業となった。リップル・プライムは、機関投資家向けにデジタル資産、デリバティブ、スワップ、外国為替、債券などの決済、ファイナンス、ブローカレッジ業務を包括的に提供する。

リップルは金曜の発表で、4月初旬に12億5000万ドルで買収を発表して以来、リップル・プライムの事業規模はすでに3倍に拡大していると述べた。今後も既存顧客および新規顧客の双方からさらなる成長が見込まれるという。

伝統的金融とブロックチェーンの橋渡しへ

リップルは、銀行が国際送金や金融取引をブロックチェーン経由で実行できるようにすることで、伝統的金融(TradFi)とデジタル資産の融合を進めてきた数少ない仮想通貨企業のひとつだ。

XRPの発行元であるリップルは、新たな事業でステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」の実用性と普及を大幅に強化する方針を示した。

「リップルの決済、暗号資産カストディ、ステーブルコインなどの基盤インフラ、そしてXRPの活用は、リップル・プライムが提供するサービスを補完するものになる」と述べている。

リップルは今後、リップル・プライムにブロックチェーン機能を組み込み、業務効率化とコスト削減を図る計画も明らかにした。

RLUSDはこの転換において重要な役割を果たす見通しであり、一部のデリバティブ顧客がすでにドル建てステーブルコインで残高を保有しているほか、複数のプライムブローカー商品で担保として使用されているという。

リップル、M&Aを加速──28か月で6件の戦略的買収

今回の買収は、リップルの積極的なM&A戦略の一環でもある。

同社は10月に財務管理システム企業Gトレジャリーを買収したほか、8月にはステーブルコイン決済プラットフォームのレールを取得している。

さらに、2024年6月のスタンダード・カストディ、2023年6月のメタコの買収も含め、過去28か月間で合計6件の戦略的取引を実行してきた。これらはいずれも、金融機関向けにブロックチェーンおよび仮想通貨ソリューションを提供する体制を強化するリップルの長期戦略の一部となっている。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

Forex, リップル, XRP, Derivatives, ステーブルコイン