【訂正】記事中のエンヴィオンが清算となった場合の投資家の請求書手続に関する誤った情報を修正しました(11月30日 23:00)

スイスのツーク州裁判所は、仮想通貨マイニング企業エンヴィオンを無登録のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の疑いで営業停止とした。ドイツのニュースメディア、ハンデルスブラット・グローバルが11月28日に報じた。

エンビオンは、マイケル・ラクナウ氏とマティアス・ウーストマン氏によって、非中央集権型の水力や太陽光といったクリーンなエネルギーを使って自社のモバイル・マイニング・ユニットの電力をまかなっているとするオフグリッドのマイニング企業としてスイスで設立された。

創業者同士の内紛

しかしウーストマン氏が、当初の提案よりも多いトークンを発行しているとしてラクナウ氏を非難して、同事業は結局、2人のパートナー間の争いへと発展してしまった。ウーストマン氏はその後、ラクナウ氏のシェアを減らすこととなる増資を考えついた。そして争いは裁判所へと持ち込まれた。

ツーク州裁判所は、同社を営業停止とし、その清算を命じた上で、監査機能や取締役会の完全な不在を指摘したという。しかしウーストマン氏は、ラクナウ氏がICOに関連する情報を提供していないとして非難を続け、一方のラクナウ氏は、ウーストマン氏が同社を清算に追い込もうと常に意図していたと述べたとされている。

ラクナウ氏は本来のコンセプトを守るために会社のための戦いを続けようとするとされているが、金融監督当局は清算が確実に「不可避」となるように調査官を指名したと報じられている。

清算となった場合の投資家の請求手続きについてはまだ発表されていない。清算はスイスの商用官報を通じて発表され、請求手続きに関しての情報も提供される。

金融当局も調査

スイス金融市場監査局(FINMA)によるエンヴィオンのICOへの最初の調査は7月に開始された。FINMAの調査によって明らかになったところでは、ICOの際にエンヴィオンは約1億スイスフラン(当時約1億1万ドル相当)を3万を超える投資家から集め、その見返りに「証券のような形」でエンヴィオンのネイティブトークン(EVN)を発行した。調査の焦点は、トークンセール中に「無登録で一般の人から資金を受け取った恐れがあることによって銀行法に違反した可能性」に当てられた。

コインマーケットキャップによれば、この記事の投稿時点では、EVNトークンは1日で価格が186%値上がりし、8セント付近で取引されている。当記事の投稿時点では、同トークンの時価総額は約890万ドルで、1日の取引高は約12000ドルである。