米決済大手ペイパルは、自社のステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」を8つの新しいブロックチェーンに拡大すると発表した。そのうち7つは、レイヤーゼロのスターゲート・ハイドラ・ブリッジとの統合を通じて実現する。
この統合により、PYUSDのパーミッションレス版である「PYUSD0」が導入され、既存のPYUSDと完全に互換性を持ち、複数のブロックチェーン間で相互運用が可能になると、暗号資産インフラ企業レイヤーゼロは木曜日の声明で述べた。
対象となるブロックチェーンは、トロン、アバランチ、アプトス、アブストラクト、インク、セイ、ステーブルであり、既存のベラチェーン(BBYUSD)およびフロー(USDF)上のパーミッションレス版もPYUSD0にアップグレードされる。さらに同日、PYUSDがステラにも展開されたことも別の発表で明らかにされた。
スターゲート・ハイドラはPYUSD0の送金インターフェースを担い、レイヤーゼロがミント、バーン、デプロイを可能にする仕組みだ。
ペイパルはすでにサポートしているイーサリアム、ソラナ、アービトラムで展開している。
米財務省は2025年4月、ステーブルコイン市場が現在の2950億ドル規模から2028年までに2兆ドルへ成長すると予測していた。さらに7月には、米国のトランプ大統領が包括的なステーブルコイン規制法である「GENIUS法」に署名し、市場の追い風となった。
PYUSDは依然として大手の後塵を拝す
ペイパルは、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)に対抗しようとしている。コインゲッコーのデータによると、USDTの時価総額は1712億ドル、USDCは743億ドルに達している。
USDTは12のブロックチェーンをサポートし、USDCは25チェーンで稼働している。
ステーブルコイン時価総額の上位5つには、エテナUSDe(USDE)、USDS(USDS)、ダイ(DAI)が入り、それぞれの時価総額は139億ドルから45億ドルの間にある。一方、PYUSDは13億ドルで第11位にとどまっている。
「ステーブルコインは仮想通貨のキラーアプリ」
レイヤーゼロ・ラボのブライアン・ペレグリーノCEOは、今回の統合について「国境を越え、24時間稼働する世界的な金融市場の始まりを示すものだ」と述べた。
「この統合の結果として、現代的なテクノロジーを活用した、より良いマネー体験が可能になる」とペレグリーノ氏は語った。
「PYUSDをセルフカストディしている人は、既存の中央集権的な銀行インフラに依存することなく、複数のブロックチェーン間でシームレスに移動できるようになる」。
ステラでもPYUSDが稼働
同日、PYUSDはステラにも追加された。ステラは取引手数料が安く、5秒で決済を完了できるブロックチェーンであり、米ドルで貯蓄を求める発展途上国のユーザーから高い利用率を誇る。
ペイパルのPYUSDは、パクソスが発行し、2023年8月にペイパルが仮想通貨分野に本格参入する一環としてローンチされた。
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