韓国で大手通信事業者が提供するブロックチェーンを使った本人確認アプリ「PASS」で、8月9日までに100万人が運転免許証の認証サービスを利用していることがわかった。韓国メディア、デイリー経済が報じた。韓国で物理的な運転免許証を持たずに、デジタルの免許証を使うユーザーが増加している。
PASSは2018年から提供されている本人確認用アプリ。同国の大手通信事業者であるSKテレコムとKT、LG U+の3社が共同で開発している。2019年9月に当局の規制サンドボックスを利用して商用化された韓国発のデジタル身分証明証となっている。
運転免許証については、韓国の警察庁が韓国道路交通公社と提携。6月に運転免許証の認証サービスを開始した。PASSを使うことでスマホに運転免許証を登録できるようになった。
7月末までに韓国の運転免許試験センターの27ヶ所で、運転免許証の更新と再発行でもPASSアプリを使用できるようになっているという。
運転免許証を登録することでコンビニやタバコやアルコール飲料を販売する小売店などで、本人確認や年齢照会にも使用できる。ユーザーはアプリ上のバーコードやQRコードをかざすだけで運転免許証の代わりになる。実際に全国のコンビニで未成年の確認のためにすでに使用されているというい。
現在はレンタカーやシェアリングサービス、金融取引や移動通信サービスなど他業種でもこれらIDを利用できるか研究が進められている。
PASSには情報管理と認証でブロックチェーン技術が利用されている。端末に個人情報が保存され、アプリ運営側も最小限の個人方法となっていることで、情報漏洩のリスクを軽減している。
韓国で進むブロックチェーン活用
今週だけでも韓国ではブロックチェーン関連の報道が相次いでいる。
韓国のシリコンバレーと呼ばれる城南市では12日、ブロックチェーン基盤の決済プログラムを拡大する準備を進めていると報じられた。ブロックチェーンを使ったデジタル商品券を発行するという。さらに釜山海雲台(ヘウンデ)区の海水浴場ではライフジャケットやパラソルといった機材のレンタルに仮想通貨を使った支払いを導入した。
また、韓国の大手銀行であるKEBハナ銀行は、韓国高速道路公社と提携し、ブロックチェーンを使った料金支払いシステムを国内の高速道路に導入することで合意している。
ライセンスのブロックチェーン活用は豪州でも
既存の運転免許証にブロックチェーンを活用しているのは韓国だけではない。オーストラリアでは2018年にイーサリアムベースのデジタルライセンスの試験導入を発表している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン