ビットビート(Bitbeat)の関連会社CICエンタープライズが運営するパイロットプロジェクトで、韓国で人気のビーチで仮想通貨(暗号資産)を使った決済ソリューションを導入している。
ZDネット・コリアによると、CICは現金決済プロバイダーのInnotechと提携。観光客に人気の韓国釜山にある海雲台(ヘウンデ)区の海水浴場で、7日から仮想通貨決済ソリューションを提供しているという。
スマートフォンベースのアプリケーションを通じて、有料のアクティビティの他、ライフジャケット、パラソルといったレンタルの支払いができる。対応通貨はERC-20トークンであるMCIやWAYが採用された。
ビットビートは今回の決済ソリューションについて、世界中のどんなウォレットであってもQRコードをしようすることで10秒以内に処理できることから、類似サービスとは大きく異なると強調。類似サービスは決済を完了するために、それぞれ自社にしか対応していないアプリをダウンロードする必要があるなど、煩雑になっているという。今回の導入によって、仮想通貨決済の透明性や信頼性、利便性を周知していくとしている。
「海雲台海水浴場で使われている仮想通貨決済システムが、通常の生活でも広く使われるようになることを望んでいる。仮想通貨の決済環境をより広く提供できるように努力したい」
釜山当局は夏の期間、ビーチを訪れる人々はパラソルなどの道具を自身で持ち込むよりも、レンタルする人が増加すると予想。また、サーフィンで人気の釜山の松亭(ソンジョン)海水浴場でも同様の決済ソリューションが導入されるという。
釜山で進むブロックチェーン、仮想通貨採用
釜山は韓国の中でのブロックチェーンや仮想通貨の導入で、先進地域だ。2020年6月には官民コンソーシアムが、ブロックチェーンを利用した医療観光プラットフォームを構築するプロジェクトを発表。ローンチ日は決まっていないものの、韓国メディア慶南日報によると釜山銀行が主導して行うことがわかっている。
釜山銀行は、すべてのメディカルツーリズム関連の取引、特に美容整形やその他の美容目的の処置を求める人々との取引を、ブロックチェーン基盤のアプリケーションを通して行う意向を表明。両替や口座開設サービスを提供することによって、これを実現する予定だ。
今年1月には仮想通貨取引所ビッサムが釜山のブロックチェーン特区に100億ウォン(約9.4億円)の投資計画が報じられた。現地メディアは、仮想通貨取引所と地方政府との連携して公共事業に取り組むのは「初の事例」だと指摘している。
ビッサムが釜山のブロックチェーン特区でどのような事業を展開するかは、釜山の自治体などと協議して固めていく方針。現地メディアは関係者の話として、ブロックチェーンをベースにした様々な金融事業を展開するのではないかと伝えている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン