ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトの有力候補の一人であるニック・サボ氏が12日、ビットコインETF(上場投資信託)は「問題の方が多い」とツイッターで発言した。米国証券取引委員会(SEC)によるビットコインETFの承認が仮想通貨相場にとって追い風になるという見方が多く見られる中、仮想通貨業界の重鎮は対照的な見方を示した。

 サボ氏は、「ウォール街はビットコインにとって友人にならない」と発言したモルガン・スタンレーの元幹部のツイートに返信する形で、以下のように述べた。

私はETFに対してロビー活動をしていないし、一般的にウォール街に管理されるマネーに対してはそういうことは行わない考えられている価値より大きな問題を起こすかもしれない。ふざけたマネーによる最近の下落は、声だけ大きくて何も知らない多く人々を増やすだろう。新参者はいらない」

 SECは先月末、ウィンクルボス兄弟が申請していたビットコインETFを拒否。今月に入ってからCboe BZX取引所への上場を求めていたビットコイン上場投資信託(ETF)の決定を9月30日まで延期すると発表し、仮想通貨相場の低迷に拍車をかけたという見方が出ている。ただ、投資家は「ビットコインETFのニュースに過剰反応しすぎ」といった見方やインターコンチネンタル取引所(ICE)の新会社「バックト」の方が、仮想通貨を支える上で重要な材料だという見方も出ている。

 サボ氏は「ビットゴールド」と呼ばれるビットコインの前身を開発し、電子商取引のセキュリティに関する論文などを書いたことから、一部ではサトシ・ナカモト本人ではないかと見られている

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