三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が株式の76.9%を保有するタイのアユタヤ銀行(BAY)は、アジア太平洋地域に特化した仮想通貨取引所Zipmexの資金調達ラウンドに参加した

4,100万ドルの資金調達ラウンドには、BAYのほか、タイの上場メディア2社と海外のベンチャーキャピタル(VC)ファンドが参加しており、Zipmexのこれまでの資金調達額5,200万ドルの大半を占めている。

BAYのコーポレートベンチャーキャピタル部門であるクルンシー・フィノフェート(Krungsri Finnovate)は、ブロックチェーン、レンディング、Eコマース、国際送金など、さまざまなフィンテック分野のスタートアップに投資している。Zipmex社の資金調達ついて、同社のマネージングディレクターはロイターに対し、「私たちの協力がなければ、テクノロジーは銀行からさらに遠ざかるだろう」と話した。

同取引所は、今回の資金調達を利用して、今後6ヶ月間で現在のユーザー数を2倍の100万人に到達させる計画だ。Zipmexは、現在タイで認可されている唯一のデジタル資産プラットフォームで、インドネシアとオーストラリアでは規制当局の監督下で運営されており、シンガポールでは規制免除の通知を受けている。

Zipmex社は、シンガポールの中央銀行であるシンガポール金融管理局(MAS)に主要決済機関(Major Payment Institution)のライセンスを申請中であると伝えられている。申請が通れば、Zipmex社はシンガポールでデジタル決済トークンのサービスなどを提供できるようになる。

同取引所は、技術チームとコンプライアンスチームを拡大し、融資、決済、証券などの新しいデジタル資産商品の展開を目指している。また、Visaとの提携により、今年末には独自の仮想通貨カードの発行も予定している。