米モルガン・スタンレーは19日、ビットコインの価格の動きがITバブル時の2000年のナスダック市場に「驚くほど似ている」ことを顧客向けのレポートで述べた。

 モルガン・スタンレーのアナリストであるシーナ・シャー氏によると、ビットコイン価格の増減は当時のナスダックに酷似しているが、「約15倍のスピードで」事態が展開しているという調査結果になった。

 「2000年以降のナスダックの弱気市場において、5回の価格下落があった。、平均すると44%となり、驚くほど似ている数値である」とシャー氏の発言をCNBCが引用した。

 この2000年との比較論は、ビットコインが昨年12月に2万ドルの大台に達した後、わずか2か月後に70%の下落を記録したことを説明するための主流金融機関サイドの最新の試みである。

 ゴールドマンサックスような組織は、ビットコインが価格バブルの状態にあるという話を続けている。同社は2月、疑われている仮想通貨のバブルが崩壊すれば、世界のGDPの約1%に影響すると主張した。

 BTC/USDは今週8000ドル前後で推移している。仮想通貨はグローバルな金融安定性に影響を与えないという規制機関のコメントが出た後、24時間で価格は1000ドル近く上昇した。

 モルガン・スタンレーは、ビットコインとナスダックとの相関関係の説明した以外に、アルトコインのテザー(USDT)の発行と取引動向についても言及した。

 テザーは1ドルでペッグされているということになっているが、テザーの発行数の変化がビットコイン価格に影響するようにみなされた後、テザーは業界と規制機関から厳しい監視の目にさらされている。

 それにもかかわらず、モルガン・スタンレーはテザーの利用を「興味深い進展」であると述べている。

 「当社は、今後数年間にわたり市場の焦点がますます仮想通貨とトークンのクロス取引に向かい、銀行システムを通じてではなく分散台帳のみを通じて取引が行われるだろうと考えている」と同社のレポートに付け加えている。