仮想通貨投資企業ギャラクシー・デジタルが、米証券取引委員会(SEC)からナスダック上場の承認を取得した。

現在トロント証券取引所(TSX)に上場しているギャラクシーは4月7日の発表で、本社所在地をケイマン諸島からデラウェア州へ移転する計画を明らかにした。移転には株主とTSXの承認が必要となる。

ギャラクシーのマイケル・ノヴォグラッツCEOは4月7日にXへ投稿し、「SECによる登録届出書が承認された。5月9日の株主投票後、組織再編が完了すればナスダック上場に向けて前進する。さあ行こう!」と語った。

同社は、株主投票後すぐに「GLXY」のティッカーシンボルでナスダックに上場する見込みで、移行手続きは5月中旬までの完了を目指している。

デラウェア州を選んだ理由:企業環境の優位性

3月27日に提出されたSECのフォームS-4によると、ギャラクシーはデラウェア州への移転理由について、「上場企業として競争力を高めるため、望ましい企業環境を提供している」と説明している。

また、同州は多くの上場企業が登記地として選択しており、デラウェア一般会社法(DGCL)に関する判例が豊富であること、そして法律が技術革新や法的トレンドに応じて頻繁に改訂されている点も、移転先としての魅力だとした。

移転後もノヴォグラッツ氏は引き続き、約60%の議決権を保持し、企業の支配権を維持する予定となっている。

グーグルファイナンスによると、ギャラクシーのTSXにおける株価は、取引終了後に8%下落し、12.30カナダドル(約8.70ドル)で推移している。同社は2015年7月に上場し、2021年11月12日において50カナダドル(約35ドル)の最高値を記録した。

 Source: Google Finance

なお、ギャラクシーは最近、破綻した仮想通貨プロジェクトであるテラ(LUNA)の宣伝活動に関連する訴訟で、2億ドルの和解金を支払うことに同意している

ギャラクシーのほかにも、複数の仮想通貨企業がナスダックに上場している。直近では、日本の仮想通貨取引所コインチェックの親会社であるコインチェック・グループが、2024年12月11日にナスダックデビューを果たしている

また、ビットコイン積立戦略を展開する日本の投資会社メタプラネットも、日本国外、特に米国市場での上場を模索している。同社のCEOであるサイモン・ゲロヴィッチ氏は、3月にニューヨーク証券取引所およびナスダックの関係者と面会しており、上場の可能性を探っている段階だ。