アメリカの選挙シーズンが始まる前から、多くの仮想通貨保有者はバイデン大統領や与党民主党の議員、バイデン大統領が規制当局に任命した官僚を批判していた。バイデン大統領は仮想通貨について公に発言することは少なかったが、選挙が近づくにつれてその姿勢が変化するかもしれない。
バイデン氏は大統領就任後、ある意味、仮想通貨を大統領選挙の主要な争点に押し上げたとも言える。就任数週間後には、ゲイリー・ゲンスラー氏を米証券取引委員会(SEC)の委員長に指名。2022年3月にはデジタル資産に関する規制枠組みを確立するための大統領令に署名。2024年には銀行と仮想通貨に関する会計規則を廃止する決議に対し、拒否権を行使した。
また、多くの米国の仮想通貨ユーザーは、バイデン氏が所属する民主党の議員がデジタル資産に有利と考える法案や政策に反対票を投じたことについても非難している。民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、仮想通貨をテロ資金や違法活動と結びつける発言を繰り返し、最も声高に仮想通貨に反対している議員の1人である。
ゲンスラー委員長の下で、SECは仮想通貨企業に対する執行措置を強化し、リップル、コインベース、クラーケンなどに対する訴訟が進行中だ。SECの委員長は「我々と話し合いに来ること」が合法的に製品やサービスを提供する最良の方法だと公言している。しかし、多くの企業は証券法の一貫性のない解釈を批判しており、最近ではイーサリアム(ETH)を証券として扱うことを検討しているとの報道もあった。
トランプ氏の仮想通貨に対する姿勢の変遷
今回の選挙で現職のバイデン大統領と対決するトランプ前大統領の場合、彼の仮想通貨に対する姿勢は時代とともに変化してきた。
2018年のトランプ政権時代にはスティーブ・ムニューシン財務長官に「ビットコインを取り締まれ」と指示し、2019年には仮想通貨を「お金ではない」「根拠がないものだ」と呼んでいた。2021年1月に大統領を退任した後も、トランプ氏はビットコインを「詐欺のようだ」と述べ、仮想通貨を「災害」と批判した。

しかし、トランプ氏が再選を視野に入れるようになってから仮想通貨に対する態度は変化してきた。
2022年12月にはNFTコレクションを立ち上げているほか、予備選で共和党候補を打ち負かした後、トランプ氏はキャンペーンで仮想通貨を受け入れると発表した。最近ではマイニング企業の幹部らと会合をもち、「残りのビットコインすべてをメイド・イン・USAにしたい」とまで語っている。
バイデン大統領の姿勢も変化するか?
トランプ氏の仮想通貨に対する姿勢の変化に対し、バイデン氏も仮想通貨支持者にアピールするためにデジタル資産に関する立法の姿勢を軟化させる可能性があるとの報道も出ている。バイデンはSECの銀行と仮想通貨に関する規則に拒否権を行使すると述べたが、ホワイトハウスは「21世紀の金融イノベーションと技術(FIT21)」法案には同じことをしないと示唆した。バイデン氏はデジタル資産に関する立法に反対しているが、「議会と協力して」規制枠組みを確立する代替法案を求めていると付け加えた。下院の投票では71人の民主党議員が多数の共和党議員とともにFIT21を可決している。
「バイデン政権はデジタル資産セクターに対するトーンを変えている」とパンテラ・キャピタルのアナリストは6月18日の分析で指摘した。「バイデン氏の選対本部がブロックチェーン分野のプレーヤーに働きかけ、仮想通貨政策に関する助言を求めているとの報道もある」。
バイデン氏の副大統領時代の補佐官だったモー・ベラ氏はコインテレグラフに対し、共和党と民主党の候補者は「それぞれの政権でどのような規制を作るつもりかについて自らの立場をはっきりと明確にする必要がある」と話す。ベラ氏によれば、両候補者とも仮想通貨業界の影響力を認めざるを得ない状況であり、デジタル資産での寄付受付はそのステップの1つであるという。
「バイデン氏の選対本部が仮想通貨を受け入れることは不可避だと思う」とベラ氏は語った。「仮想通貨に投資している6000万人以上の米国人投資家の多くがZ世代やミレニアル世代の若いプロフェッショナル層であることを考えると、この層の取り込みは両候補者にとって重要だ」。
6月27日には両候補の討論会
バイデン大統領とトランプ氏は、6月27日に2020年以来初めて対面で討論する。9月10日には2回目の討論会も予定されている。
トランプ氏はすでに仮想通貨業界の多くの支持を得ており、仮想通貨取引所ジェミナイの共同創設者ウィンクルボス兄弟や主要なマイニング企業の幹部らはトランプ支持を表明している。
バイデンを支持する業界関係者は、彼の政策よりも仮想通貨の「非党派性」を強調したり、トランプ氏の有罪判決や法的問題を挙げている。
投票権のない米国外の人々も、米国の仮想通貨エコシステムの将来について懸念を表明している。「ビットコインが一方の政党と結びつくのは健全とはいえない」と仮想通貨投資プラットフォームLednの共同創設者マウリシオ・ディ・バルトロメオ氏はコインテレグラフに語った。「仮想通貨支持の大統領がビットコインを支援する動きをしても、その後に政権が変わり、ビットコイン支持の政権が行ったすべての作業が無効になるという問題が発生する。我々にとって最良のケースは、両方の党にアメリカがビットコインにアクセスすべき理由を示すことだ」。
アメリカの大統領選挙は11月5日だ。トランプ氏は共和党全国大会の数日前にあたる7月11日にニューヨークで判決を受ける予定だ。元大統領はすでに不倫の口止め料の支払いを巡る虚偽記載など34件の罪状で有罪判決を受けているが、7月には量刑に関する判決が予定されている。
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