参議院議員選挙に全国比例区から出馬する藤巻健史氏(日本維新の会)は、コインテレグラフ日本版に対して、日本が今の税制を続ける限り日本で誰もフェイスブックの仮想通貨リブラを使わないだろうと予想した。

国際貿易などにおける決済手段としてリブラには大きな可能性があるとみる藤巻氏だが、日本は現在の税制のままではリブラの流れに乗り遅れることになると危惧している。

既報の通り、リブラは複数の法定通貨バスケットに連動するステーブルコインだ。このため例えば日本円でリブラを購入した後に円がドルやユーロなど他の通貨に対して安くなった場合、リブラ使用時は対円で値段が上がることになり儲けが出ることになる。

このため現在の仮想通貨税制では、リブラで何か商品やサービスを購入する時、その時点でのリブラの価格とリブラ購入時の価格から損益を計算して、利益が出ていたら納税しなければならなくなる。

ちなみに日本円と100%連動するステーブルコインの場合には、損益が出ないためこのケースは当てはまらない。

藤巻氏は、貿易の決済に少額のリブラを使う時にいちいち損益計算しなければならないことを懸念している。

「(リブラで)フィリピンからバナナ3房買った時、儲かったら確定申告する必要が出てくる。そんなことで支払い手段になるわけがない。」 

藤巻氏は、少額決済を非課税にすることを政策として掲げている

さらに藤巻氏は、上記のような税制上の問題からVISAやマスターカードが参加するリブラ協会に日本企業は参加するメリットがないのではないと指摘。その結果、リブラという国際的なプロジェクトから日本が取り残される可能性があると述べた。

「日本の企業だけ使えないからと言って(リブラ協会に)入らなかったら、まさに世界から取り残されてしまう。だから国税も慌てているんじゃないかと思う」

藤巻氏は、21日に投開票される参議院議員選挙で再選するために選挙活動中だ。仮想通貨税制に関する政策では、「1.最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ!」、「2.損失の繰越控除を可能に!」、「3.仮想通貨間の売買を非課税に!」、「4.少額決済を非課税に!」の4本を柱に掲げている

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