イラン国内のテレビメディアが25日、同国が米国による制裁を迂回するために、国家発行の仮想通貨の開発を推し進める予定であることを認めたと報じた

 地元ニュースメディアであるISNAの引用とPressTVの翻訳によれば、科学研究技術省で運営・投資の補佐官を務めるアリレザ・ダリリ氏が、実用的なデジタル通貨の開発計画はすでに議題に上がっていると語ったとのことだ。

 「我々は、イラン国内で国産のデジタル通貨を使用する準備を整えようとしている」と、ダリリ氏はISNAに話している:

「この通貨によって、世界各地へ資金を転送する(送受金する)ことが容易になるだろう。さらに、制裁が課せられたときにも役立つ可能性がある」

 国家発行の仮想通貨の技術的な詳細は依然として不明だが、今後3ヶ月以内に矛盾を「解消」した後に、国の暗号鍵が国内の銀行システムへ導入される可能性があるようだ。

 イランが自国の仮想通貨を発行するという話は、数ヵ月前から取りざたされていた。米国による制裁措置が差し迫ってきたことにより、それに先んじて対策を講じるべきだという声が高まっていることが背景にある。

 イラン当局は以前、ビットコイン(BTC)のような一般の仮想通貨に対して反対の意思を表明しており、4月には銀行がそういった仮想通を取り扱うことを全面的に禁止していた。それでもイランの市民は仮想通貨を積極的に取り入れているようである。5月のフォーブスの報道によれば、イランの市民がビットコインやほかの仮想通貨を使って、25億ドルを国外に送金していた

 国家発行の仮想通貨である「ペトロ」を作ったベネズエラのように、現在のイランは、8月以降に米ドルの獲得から完全に締め出されることを含め、難題を回避するためにブロックチェーン技術に頼ろうとしているようにみえる。