イランの中央銀行が、マネーロンダリング(資金洗浄)の可能性を理由に、国内の銀行やその他の金融機関による仮想通貨取引を禁止した。ロイターが22日に伝えた。

 ロイターは、国営イラン通信による22日の報道を引用して次のように伝えている。

「銀行、信用機関、および通貨取引所は、これらの通貨の売却および購入を回避し、また、同通貨を促進するようないかなる行動もとってはならない」

 中銀は昨年12月に広報紙でマネーロンダリングへの懸念に言及している。ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーは23日、同公報紙の内容に言及した

「全ての仮想通貨は、マネーロンダリングやテロリストの資金源として利用することが可能で、一般的に犯罪者の資金を移動させる手段に利用される恐れがある」

 米国は、5月12日にイランへの制裁を継続するかを決定する予定で、イランの通貨リヤルはその影響で暴落、過去最低を記録している。さらにロイターの報道によると、イランは瀕死状態の国内金融機関を活性化させ、これ以上の通貨下落を防ぐため、公定為替相場と公開市場為替相場を統合し、銀行以外での通貨取引を全面的に禁止した。

 仮想通貨へのイランの態度が特に硬化したのは、18年2月のことだ。イランの中央銀行が「著しく信頼性に欠け、リスクの高い」と見なす仮想通貨を「管理・防止」する意向について地元メディアが伝えていた。

 一方で同じ時期に、同国政府が公認の仮想通貨の発行を検討しているという報道も出された。政府発行の仮想通貨と言えばベネズエラのペトロが有名だが、こちらも外国からの制裁に逼迫する国の対応策というのが大方の見方だ。