オランダのINGファイナンシャルサービス・グループは、新たなブロックチェーン「バレットプルーフ(Bulletproofs)」を発表した。バレットプルーフは、「ゼロ知識証明(ZKRP)」や「ゼロ知識セットメンバーシップ(ZKSM)」といったブロックチェーンのプライバシーに焦点を当てたINGのこれまでの開発に続くものだ。

INGは、2017年にZKRPを初めて公開。市場参加者は取引において、匿名性を維持したまま証明することができるようになった。例えば、住宅ローンの希望者が自分の所得がある一定の範囲内であることを実際の数字を明かさずに証明することが可能だ。

ZKSMはこのZKRPの改良版で、2018年10月に公開された。さらに強力なコードで、内容の詳細を明かすことなく、特定の英数字データを証明することができ、データのセキュリティを全面的に保護する。INGは、例えば、銀行が、顧客についてどこの国か特定せずに欧州連合(EU)内に住んでいることを証明できるとしている。

バレットプルーフは、従来のゼロ知識証明より高速だとされる。

バレットプルーフは、信頼されたセットアップ(trusted setup)を必要とせず、パラメーターが秘密の値なしで生成されるので、ブロックチェーン上でより高い角度の信頼性をすべてのユーザーに提供することができる。

バレットプルーフのコードはGitHub上にあるオープンソースで、スタンフォード大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らがブロックチェーンスタートアップ、ブロックストリーム(Blockstream)と提携して開発した。

今年1月に、INGは、ブロックチェーン企業のR3と契約を締結し、商用ブロックチェーンプラットフォーム「コルダ・エンタープライズ」へアクセスするライセンスを得たとの報道があった。

先日、IMF(国際通貨基金)と世界銀行が共同でプライベート・ブロックチェーンと「ラーニング・コイン」を立ち上げたとの報道もあった。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 ING Bank Releases Blockchain Privacy Tool Bulletproofs