インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が昨年末、「現状では仮想通貨は金融システムの安定性を脅かしていない」というレポートを発表した

「2017年と2018年におけるインド銀行業の進捗状況とトレンド」と題されたレポートの中でRBIは、仮想通貨に関して次のように見解を示した。

「仮想通貨は、現在、世界の金融システムの安定性に対してリスクではない。しかし、この市場は急速に進化している。仮想通貨がもっと普及し、規制された金融システムの中核部分とつながりを持ち始めたら、この評価は変わる可能性がある」

RBIは、インドも参加する金融安定委員会(FSB)が10月に出した「仮想通貨市場の時価総額は金の2%に届かないので現状では危険性は見られないが、成長が早いため注視する必要がある」とするレポートも引用。FSBの見解と足並みをそろえた形だ。

RBIの仮想通貨に対するスタンスは厳しい。昨年4月にRBIは、銀行に対して仮想通貨取引を行う個人や企業に対するサービス提供停止を求めた。さらに今月2日には、RBIがデジタル通貨発行計画を一時的に停止していることが報じられた

ただ、先月、インド政府が仮想通貨は合法化されるべきだと考えていることが関係者の話から明らかになっており、インド政府の仮想通貨に対する姿勢は曖昧な状態が続いている。