仮想通貨関連の投資会社ギャラクシー・デジタルが、仮想通貨セキュリティー企業サイファートレースへの出資を発表した。2月19日のリリースで明らかにした。

米カリフォルニアを拠点とするサイファートレースは、アンチマネーロンダリング(AML)、仮想通貨関連セキュリティ侵害の記録保全・調査・分析、ブロックチェーンのセキュリティ上の脅威に関する調査・分析などを業務としている。今回の資金調達では、ギャラクシー・デジタルのほかシリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル「アスペクト・ベンチャーズ」などから1500万ドル(約16億6000万円)を獲得した。

サイファートレースは2015年に設立。米国土安全保障省、米軍向け新技術開発を行うDARPA(米国国防高等研究計画局)から初期資金の提供を受けている。サイファートレースの業務内容は、機械学習を適用することでブロックチェーン上の匿名性排除を行い、犯罪や詐欺行為を追跡することと伝えられている。同社のセキュリティソリューションは、政府、規制当局、法執行機関の捜査官、監査人による犯罪撲滅、また仮想通貨交換所によるAMLポリシー準拠のために使用されているという。

サイファートレースは、仮想通貨の不正取得に関するレポート作成でも有名だ。

先月30日、2018年中に違法行為により約17億ドル(約1882億円)の仮想通貨が取得されたこと、9億5000万ドル(約1051億8000万円)以上が仮想通貨取引所から盗まれたこと、少なくとも7億2500万ドル(約802億円)が詐欺のために失われたと報告した。

元ゴールドマンサックスのマイク・ノボグラッツ氏が代表を務めることでも知られるギャラクシー・デジタル。幹部のグレッグ・ワッサーマン氏は、デジタル資産を主流なものにするには、適切なAML技術が不可欠との見解を示した。また機関投資家は、取引相手との取引・トランザクションの整合性を監視するため、サイファートレースのような企業にますます依存していると指摘した。