米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード理事は、FRBがデジタルドルの実現可能性を研究していることを明らかにした。

米スタンフォード大学での講演原稿の中で、次のように触れている。

「ドルの重要な役割を考えれば、中央銀行デジタル通貨、またはCBDCに関する研究開発と政策の最前線に留まることが不可欠だ。他の中央銀行と同様に、分散型台帳技術と、CBDCの可能性を含むデジタル通貨の潜在的なユースケースに関連する調査と実験を行っている」

またブレイナード理事は、CBDCの研究にあたり「ほかの中央銀行と協力している」と述べている。

ブレイナード理事は、CBDC発行にあたって、複数の考慮すべき事項があると指摘。たとえば、「決済システムを改善することになるかどうか」、「運用上の脆弱性を軽減させることができるか」「決済の複雑さを軽減できるか」など、検討すべき課題を挙げている。またプライバシーの問題や既存の通貨発行に関する法律上の問題にも触れている。

中央銀行デジタル通貨を巡っては、日本銀行や欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行などが共同研究グループを1月に立ち上げた。この共同研究グループの中にはFRBが入っていなかった。

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