フランスのブリュノ・ルタイヨ内務相が、仮想通貨企業幹部の家族が誘拐されかけた事件を受け、仮想通貨業界の関係者と会合を開く予定であることが明らかになった。

仏メディアのフランス24によると、ルタイヨ内務相は、仮想通貨取引所ペイミウムの共同創業者兼CEOのピエール・ノワザ氏の娘と孫が襲撃された件を受け、仮想通貨関係者を内務省に招き、安全対策を話し合う意向を示した。

「フランスにも仮想通貨ビジネスに携わる人物は少なからず存在しており、彼らを内務省に招いて安全対策について協議する」と、ルタイヨ内務相は述べたという。

事件は5月13日にパリ11区で発生。ノワザ氏の娘と孫、同伴していた男性が白昼に3人の覆面の男に襲われた。襲撃者は白いバンに親子を押し込もうとしたが、通行人が消火器を持って加勢したことで犯人は逃走。犯行に使われた車両はその日のうちに近隣で発見されたという。現在、地元警察が捜査を進めている。

仮想通貨保有者に“レンチ攻撃”の脅威拡大

サイファーパンクで自己管理型ウォレット企業Casaの共同創業者であるジェイムソン・ロップ氏は、GitHub上に「オフラインでの仮想通貨強盗」の事例を記録したリストを公開している。2025年に入ってからだけでも、対面による仮想通貨関連の盗難事件が22件報告されている。

業界関係者の間では、物理的な暴力による「5ドルレンチ攻撃」への唯一の有効な対策は匿名性の保持であるという見方が広がっている。

なお、ロップ氏のリストは氷山の一角に過ぎない可能性が高い。ケンブリッジ大学が2024年9月に発表した調査によれば、「レンチ攻撃」は被害者が報復や再被害を恐れて届け出を控える傾向があるため、実際の件数はもっと多いとされる。

フランス国内でも相次ぐ犯行

フランスでは今年に入ってすでに複数の仮想通貨関連の誘拐事件が発生している。

今月初めには、仮想通貨起業家の父親が身代金目的で数日間拘束される事件が発生し、警察が解放に成功した。また、2025年1月には、仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーの共同創業者であるダビッド・バランド氏がフランス中部の自宅から連れ去られ、翌日夜の警察の突入作戦によって救出された

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