仮想通貨業界を狙う攻撃による被害額は、今年8月だけでデジタル資産4500万ドル(約約65億円)、今年初めからでは9億9700万ドル(約1457億円)にのぼった。これはブロックチェーンセキュリティ企業のセルティック(CertiK)が共有した報告書で明らかになった数字だ。
セルティックが8月の被害の内訳を明らかにした。出口詐欺による被害は約2600万ドル、フラッシュローン攻撃による被害は約640万ドル、不正流出による被害は1350万ドルであった。セルティックは、総被害額が4500万ドル以上となったことを確認した。

セルティックは、被害総額に大きく寄与した主な事件についても指摘した。ズナミプロトコル(Zunami Protocol)の攻撃による損失は220万ドル、エクザクトリープロトコル(Exactly Protocol)の不正流出による損失は730万ドル、PEPEコインのラグプルによる損失は1320万ドルだった。
セルティックによれば、今年になってからの不正流出、ハッキング、詐欺による損失は合計で9億9700万ドルを超えている。これには、フラッシュローン攻撃による損失約2億6100万ドル、出口詐欺による損失1億3700万ドル以上、不正流出による損失5億9600万ドル以上が含まれている。
8月の被害額は依然として高いものの、前月に比べて大幅に低下している。Web3データ出力のDe.Fiによれば、2023年7月の総被害額は4億8600万ドルで、そのうちマルチチェーン(Multichain)の不正流出が総被害額の2億3100万ドルを占めていた。さまざまな要因が影響し、マルチチェーンは7月14日に公式に運営停止を発表した。運営資金の不足と情報源の不足を停止の理由としてチームは挙げている。また、CEOが中国当局に拘束されて以来、連絡が取れない状態だとチームは語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン