クロスチェーンプロトコルのマルチチェーン(Multichain)は、運営資金不足のため「事業活動を停止せざるを得ない」発表した

7月14日、マルチチェーンの公式ツイッターアカウントは、事業活動を停止すると発表した。「情報源や対応する運用資金の不足」が事業活動の停止を余儀なくさせたとチームは語った。

ツイートでは、チームはまた、マルチチェーンのCEOである「ジャオジュン」氏が中国の警察に拘束されて以来、チームとの連絡が取れていないことを強調した。チームによれば、チーム側はCEOの家族と連絡を取り、ジャオジュン氏のコンピュータ、携帯電話、ウォレット、ニーモニックフレーズが当局に押収されたことを知った。

プロジェクト開始以来、すべての運用資金と投資家からの投資はジャオジュン氏の管理下にあった。これは、チームのすべての資金とサーバへのアクセスがジャオジュン氏および警察のもとにあることも意味する」と彼らは書いている。

また、チームによれば、ジャオジュン氏の妹から、一部の資金を彼女の管理下のアドレスに移したという通知を受けたという。しかし、これに続いて、ジャオジュン氏の家族から、その妹も警察に拘束され、現在連絡が取れないという連絡がきた。そしてチーム側は現在の状況をツイッター公表し、チームの事業活動停止を発表することになった。

マルチチェーンの混乱は5月に始まった。このとき、マルチチェーンのルートがアップグレードのために一時停止され、資金移動が予想以上に時間がかかるようになった。5月末にはCEOのジャオジュン氏と連絡が取れなくなり、警察に拘束されたのではないかとの噂が広がった。

これに続いて、仮想通貨取引所バイナンスは、プロトコル周辺の不確実性のため、一部のマルチチェーンブリッジトークンの入出金サポートを停止。さらに悪いことに、マルチチェーンMPCブリッジプラットフォームからの大量の資金流出が発生した。7月6日、オンチェーンの観察者たちは、プロトコルがハッキングされたと結論付けた。

ブロックチェーン分析会社チェーンアナリシスは7月11日、マルチチェーンの不正流出事件は内部者によるハッキングか「出口詐欺(ラグプル)」の可能性があると指摘していた

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン