仮想通貨(暗号資産)アナリストはビットコインの最近の上昇相場の要因として、機関投資家や上場企業からの需要を指摘している。

ゲーミング取引プラットフォームHxro labsのニック・コーテ氏は「ビットコインが堅調に推移している主な理由は機関投資家からの関心の高まりと積極的な買いを行なっていることにある」と指摘。「多くの投資家がグレイスケールを使っている」と述べた。

機関投資家の需要の高まりはグレイスケール のビットコイン投資信託での多額の積み立てに見ることができる。同社ファンドのビットコイン保有額は11月に50万BTCを超えた

コーテ氏はさらに、スクエアやマイクロストラテジーのような米国トップ企業が「インフレや中央銀行の粗末な金融政策に対するヘッジとしてビットコインを帳簿上に記入している」と述べた。こうした行動が市場にポジティブな影響をもたらしているという。

「もちろん一時的な下落はあるが、機関投資家がビットコインを価値の保存手段として使ったり、インフレヘッジに使ったりしている限り、市場に良い循環をもたらす」

NEMのトレーディング責任者であるニコラス・ペレカノス氏も同じ意見だ。同氏はビットコインのファンダメンタルズは以前にも増して強固になっていると述べ、2020年5月にあったビットコイン半減期後の供給状況や機関投資家の参入、そして多くの「米国の上場企業がバランスシートの10%をビットコインに移している」ことを指摘した。

一部通貨にアルトシーズン

ペレカノス氏は、多くのアルトコインは意味のある採用に失敗している一方で、大きな発展を遂げているアルトコインがあるとして「アルトシーズン」が訪れていると指摘した。

「一部のアルトコインはもはやプロジェクトが機能していない。しかし一部プロジェクトは普及と技術面で驚異的な発展を遂げている」

アナリストはマイニング市場から強気のシグナルを指摘しており、グラスノードのCTOであるラファエル・シュルツクラフト氏は3月以降、マイナーが1万BTCを溜め込んでいると明らかにした。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン