仮想通貨相場は全面安の展開も下落幅は限定的 バイナンスの巨額ビットコインハッキングを受け

5月8日(水)19時ーー2019年の高値をつけたのも束の間だった。バイナンスの約44億円のハッキング事件を受ける形で、仮想通貨市場は全面安となった。トロンを抜かしてほぼすべての仮想通貨が下落。9%ほど下落した仮想通貨もあった。しかし、ほとんどがわずかな下落に留まった。

Market visualization courtesy of Coin360

(出典:Coin360

世界最大の仮想通貨取引所における巨額ハッキング事件にも関わらず、ビットコインは忍耐力を示した。執筆までの24時間で0.9%のマイナスにとどまり、現在は5882ドル付近で推移している。

昨日は6000ドル付近まで迫ったビットコインは、バイナンスのハッキング事件を受けて一時5800ドル付近まで下落。しかし、その後は反発した。

週ベースでみると、9.2%の上昇と、強さを継続して示している。

Bitcoin 7-day price chart

(出典: CoinMarketCap ビットコイン7日間の価格推移)

最大のアルトコイン、イーサリアム(ETH)に対する打撃はもっと大きかった。4%下落し、執筆時点で171.93ドルで取引をしている。180ドルの心理的節目に到達したかに思われた時、バイナンスのハッキングによって下落に転じ、一時166ドルまで下がった。

週ベースで見ると、イーサリアムも5.4%のプラスと強さを維持している。

Ether 7-day price chart

(出典: CoinMarketCap イーサリアム7日間の価格)

XRPは、1.5%のマイナス。執筆時点で0.3ドル付近で取引をしている。

XRPは、最近、他の主要仮想通貨との相関関係が薄れて来ているようだ。XRPは4日に今週最高の0.316ドルをつけたのち、下落。週ベースでみると、2.13%のマイナスとなっている。

XRP 7-day price chart

(出典: CoinMarketCap「XRPの7日間の推移」)

仮想通貨トップ10で最も下落したのは、バイナンンスコイン(BNB)。ほぼ6%下落した。

一方、唯一プラスだったのは時価総額10位のトロン(TRX)。2.5%上昇し、0.025ドルで取引している。トロンの創設者兼CEOであるジャスティン・サン氏がバイナンスに7000BTC支援策を提案した。バイナンスのジャオ・チャンポン(通称CZ)CEOは「資金は十分にある」と丁重に断ったものの、サン氏の早急な対応が好感された可能性もある。

Weekly high in the 7-day chart for the total market capitalization of all cryptocurrencies

(出典: CoinMarketCap「仮想通貨市場全体の時価総額」 )

バイナンスは7日、ハッキングによる「大規模なセキュリティー侵害」によって7000BTC(約44億円)が引き出されたと発表。出入金ができない状態が続いており、バイナンスのCZは「あと1週間ほどかかる」と見通しを示すなどし、マーケットの重しになった。

また、CZは、「今後、2、3日で(ロールバックを)行うかもしれない」と発言。大規模なロールバックを行えば、「ビットコインの信用を傷つける可能性がある」とし、ビットコインネットワークに対して「ネガティブな影響がでるかもしれない」と話した。

ただCZは、ハッキング事件発表から4時間あまりで全世界のユーザーに対してライブ動画で状況を説明。すみやかな対応に対して市場関係者が好感し、マーケットの下落幅が限定的になった可能性もある。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版