英オンライン銀行のレボルト(Revolut)が、新たに5億ドルを調達したことがわかった。テッククランチなど複数のメディアが報じた、今回の投資ラウンドをリードしたベンチャーキャピタルのTCVは今回の調達でレボルトの評価額が2018年の3倍となる55億ドルとなったとしている。

55億ドルという評価額は欧州で最も高いフィンテックのスタートアップであるeコマース企業のKlarnaと匹敵する額だという

TCVはフェイスブックやネットフリックスなどの初期投資を行った企業として知られている。これまでのラウンドにはDSTグローバルやインデックス・ベンチャーズなどが参加した。

レボルトはモバイルを通じて、ピアツーピア(P2P)間での支払いなどのデジタルサービスを提供している。150種以上の通貨が使用可能で、ビットコインなどの仮想通貨やカナダドル、米ドル、メキシコペソなど29種類の通貨をアプリ上で保管・両替することが可能だ。

報道によると、今回の資金調達でレボルトはプロダクトの開発と収益の改善を図る。リテールやビジネスユーザーが新しい融資サービスを受けられるようになるという。同社は英国では多様なサービスを提供しているものの、英国外の市場では提供していないサービスが多い。まずは欧州の他の国でサービスの提供を広げる。

日本への展開も視野

レボルトは昨年9月に日本や米国、豪州、ブラジル、カナダ、シンガポールなど24カ国への進出を目的としてビザとの提携を発表。さらに10月にはマスターカードと提携し、米国でデビットカードを発行することが報じられた。

今回の資金調達は昨年11月に調達予定と報じられており、人材を採用し、これら各国への進出に充てるものと期待されていた。

2015年に始まったレボルトはこれまでで合計8億3600万ドルを調達。1000万以上のユーザーがいるとされているが、損失が続いている。ただ、2018年の純損失は約4200万ドルだったが、収益は前年の1700万ドルから7400万ドルまで大幅に増加している。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン