韓国の仮想通貨取引所アップビットは、2023年上半期に15万9000回以上ものハッキング攻撃を受けたと運営企業が明らかにした。
韓国の聯合ニュースの10月9日の記事によれば、アップビットを運営するデュナムが、韓国の国会議員パク・ソンジュン氏に報告したものだ。ハッキング攻撃の回数は2022年上半期から117%、2020年上半期からだと1800%の増加になるという。
アップビットは、24時間取引高が約12億ドルと、韓国最大の仮想通貨取引所の1つだ。他の主要な取引所には、ビッサム、コインワン、ゴパックスなどがある。
ハッキング攻撃の増加に伴い、運営会社のデュナムはアップビットが保有する資金の70%をコールドウォレットに保管し、セキュリティを強化したという。また、アップビットはホットウォレットに保管されている資金のセキュリティ対策も強化した。
ホットウォレットは秘密鍵がオンラインで保存されているため、コールドウォレットよりもハッキングされやすい。アップビットは2019年に5000万ドルの不正流出が発生したが、それ以降は1度もセキュリティ侵害が発生していないとデュナムの広報担当者が聯合ニュースに語った。
「2019年のハッキング事件以降、ホットウォレットの分散など、再発防止のための様々な措置を講じ、今日に至るまで1度もサイバー侵害は発生していない」とデュナムは語った。
パク議員は仮想通貨ハッキングが全体的に増加していることを認めつつ、韓国政府に対して更なる対策を求めた。
「科学技術当局は、ハッキングが頻繁に行われる仮想資産取引所に対するサイバー攻撃に備えて、大規模なホワイトハットによる模擬テストを実施し、情報セキュリティ状況を調査すべきだ」とパク氏は述べた。また、パク氏は「科学技術情報通信部の役割が曖昧だ」とも指摘した。
ほかの仮想通貨取引所は9月に一連の攻撃を受けている。香港の取引所CoinExは、企業の秘密鍵が侵害された結果、7000万ドルのハッキングを受けた。同社は、被害を受けたユーザーに対して被害額を補償すると述べている。また、別の攻撃では、HTX(旧フォビ)が9月24日の790万ドルの被害に遭っている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン