コインベースがUSDC保有者に利回りを提供する新たな仕組みを導入する。安定コインの採用が加速する中、同取引所にとってDeFi(分散型金融)との大規模統合は初期の試みの一つとなる。
同社は木曜日、DeFi助言会社スティークハウス・ファイナンシャルが選定したボールトを備えたモルフォのレンディング・プロトコルをコインベースのアプリに直接統合すると発表した。これによりユーザーはサードパーティのDeFiプラットフォームやウォレットを経由せずにUSDC(USDC)を貸し出せるようになる。
コインベースはすでにプラットフォーム上でUSDCを保有することで最大4.5%の年率利回り(APY)を提供している。しかし新たなDeFiレンディングの選択肢により、ユーザーはオンチェーン市場にアクセスし、水曜日時点で最大10.8%の利回りを得られる可能性があるとコインベースは説明した。
「今回の提供でコインベースが統合しているレンディング・プロトコルはモルフォのみだ」と同社広報担当者はコインテレグラフに語った。「貸し出しにはリスクが伴い、その内容はコインベースのアプリ内で説明しているので、ユーザーに理解してもらうことを推奨する」。
モルフォは仮想通貨市場で最大規模の分散型レンディング・プロトコルの一つで、DefiLlamaによると総預かり資産(TVL)は83億ドルを超える。今年に入りドル建てTVLは急増しており、オンチェーンレンディング需要の高まりを示している。
コインベースとモルフォの統合は、より多くの米国人が規制環境の改善を背景にDeFi利用への関心を示す中で実現した。ロビー団体DeFiエデュケーション・ファンドの依頼で実施された米国成人1,321人を対象とする最近の調査では、40%が仮想通貨関連法案が成立すればこうしたプロトコルを利用する意向を示した。
バイナンス・リサーチによると、機関投資家の間でDeFiレンディングは年初来72%増加している。
「利回り付きステーブルコイン禁止」への反発 GENIUS法の抜け穴をめぐる業界の挑戦
利回りを目的とするDeFiレンディングは、単にステーブルコインを保有して受動的な利息を得る仕組みとは異なる。この違いは米国でGENIUS法が制定され、利回り付きステーブルコインを明確に禁止して以来、ますます議論を呼んでいる。
8月には米大手銀行が支援するロビー団体バンク・ポリシー・インスティテュート(BPI)が規制当局に対し、取引所やその関連会社がサードパーティを通じて利回りを提供できる可能性を残す「抜け穴」を塞ぐよう要請した。
「銀行預金は銀行が融資を行うための重要な資金源であり、マネーマーケットファンドは投資を行って利回りを提供する証券だ。決済用ステーブルコインはそのいずれとも異なり、融資資金にもならず、証券として規制もされていない」とBPIは声明で述べた。
こうした反発が起きる一方で、ステーブルコインの普及は加速しており、流通供給量は最近3,000億ドルを突破したとCoinMarketCapは報じている。
コインベースは一方で、ドル連動型ステーブルコインが従来の銀行システムを損なうとの主張を退けている。同社は火曜日のブログ投稿で「ステーブルコインは融資を脅かすものではなく、銀行が年間1,870億ドルを得ているカード決済手数料への競争力ある代替手段を提供する」と述べた。
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