ビットコイン(BTC)は8万3000ドル前後まで下落し、売り圧力の強まりによって多くの投資家が損失を抱えたまま売却する展開となっている。これは過去の市場崩壊を想起させる動きとなっている。

ブロックチェーン分析プラットフォームのグラスノードによると、ビットコインの実現損失は2022年のFTX崩壊以来の水準まで急増している。

グラスノードは金曜日のX投稿で、「これらの損失の規模とスピードは、直近の買い手が下落局面でポジションを手放したことで、限界需要が大きく洗い流されたことを示している」と述べた。

この投稿から数分後、ビットコインはコインベースで8万500ドルまで下落し、10月初旬に記録した史上最高値12万6210ドルから36%の下落となった。

短期保有者が売りを主導

グラスノードによれば、現在のビットコイン暴落で売りを主導しているのは短期保有者だという。

分析プラットフォームのクリプトクオントも同様の見解を示し、短期保有者による売りは「価格が迅速に取得原価を回復すれば、局所的な底を示すことが多い」と指摘している。

「これが回復できない場合、歴史的にはより深い弱気トレンド、もしくは弱気市場入りを示してきた」とクリプトクオントは木曜日のX投稿で述べた。

Source: CryptoQuant

市場では現在の下落を2023年に始まった強気市場の終わりと捉える声もあるが、Jan3のサムソン・モウ氏など、仮想通貨の冬入りに疑問を呈する見方もある。

モウ氏は木曜日のX投稿で、「そもそも本格的な強気市場がまだ来ていないのに、どうして弱気市場になると言えるのか」と述べ、市場全体の慎重姿勢に疑問を投げかけた。

底値はどこか?

ビットコインが4週連続で下落し、恐怖強欲指数が「極度の恐怖」に沈むなか、BTCがどこまで落ちるのかが投資家の最大の関心事となっている。

クオンタム・エコノミクスのマティ・グリーンスパン氏はコインテレグラフに対し、「最近はサポートラインをバターのように突き破っており、誰も落ちてくるナイフを掴もうとしない」と述べたうえで、次のように語った。

「数年にわたる弱気市場入りという考えは全く受け入れられないが、今回の急落のスピードを考えると、弱気派は予想よりずっと早くターゲットに到達するかもしれない。」

2022年11月のFTX崩壊は、その半年前のテラ・ルナ騒動に続く形で起き、ビットコインは5月の3万3000ドル付近から11月には1万6000ドルを割り込んだ。両者の関連性を指摘する声もあり、一部ではFTXの流動性危機はもっと早く始まっていたのではないかとの見方もあった。

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2022年1月から23年10月までのBTC価格チャート Source: CoinGecko

1万5700ドル前後で底値を付けた後、BTCは2か月間にわたって2万ドルを下回ったまま推移し、その後2023年から強気市場へ移行した。

一部の強気派は、今回の底打ちも同様の時間軸で訪れる可能性があるとみている。

ファンドストラットの共同創業者であり、ビットマインでイーサリアム(ETH)トレジャリー戦略を統括するトム・リー氏は、2026年1月末までにビットコインが15万~20万ドルへ反発する可能性を予測している

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