中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元の開発は着実に進展しているようだ。

8日に報じられた現地報道によると、デジタル人民元プロジェクトに大手食品配送プラットフォームと動画共有サイトが参加した。

新たに参加したのは北京拠点で2億4000万人以上の会員に食品配送を手がける「メイチュアン・ディアンピン(美団点評)」と中国最大級の動画共有サイト「ビリビリ(哔哩哔哩)」。両者はデジタル人民元プロジェクトに関与する多くの銀行パートナーシップを結んだという。

美団点評は2019年に米経済誌「Fast Company」が発表した「世界で最も革新的な企業」でトップに選ばれている。

また報道では動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」を手がける「北京字節跳動科技(バイトダンス:ByteDance)」も協力に向けて交渉段階に入っているという。

既報の通り、デジタル人民元については、配車サービス大手の「ディディチューシン(滴滴出行)」が中国人民銀行のデジタル通貨研究所と戦略的パートナーシップを結んでいる。

中国人民元はすでに一部の都市でテストを始めており、2022年開催の北京オリンピックでも利用される予定だ。

スタバやマックでも実験か

今年4月の報道によれば、中国が開発したデジタル人民元が、中国のスターバックやマクドナルドなどでテストされているという。

中国・河北省の雄安新区でのデジタル人民元のテストに向けた会合に、中国人民銀行や雄安新区のスマートシティ担当の責任者といった政府関連部局、中国の国有銀行やアントフィナンシャル、テンセントといった金融サービス事業者、実際にデジタル通貨電子決済(DCEP)を使うことになる企業が集まった。

現地報道では、19の具体的な企業の名前が並んでいる。その中にはスターバックス、マクドナルド、サブウェイ、ユニオンペイやJD.Comの無人スーパーマーケット、地下鉄、書店などの名前が並んでいる。

また5月から中国の蘇州市の職員の交通費の50%がデジタル通貨で支払われることになるとの報道も出ている

蘇州市相城区で中央銀行によるデジタル通貨電子決済(DCEP)のパイロット地域となる。メディアが入手した公式文書によれば、政府機関などがデジタル通貨配布の契約に署名し、すべての職員にデジタルウォレットを配布し、5月分の交通費からデジタル通貨を配布する。

契約の署名やデジタルウォレットのインタストール作業は4月末までに完了させ、デジタル通貨発行は5月になると報じられていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン