カナダの大手信用組合16社で構成する、大手信用組合連合(LCUC)は、ブロックチェーンコンソーシアムのR3に加わった。17日にR3が発表した。LCUCは、300万社以上の企業を顧客に抱え、資産額は1250億ドルを超える。

 R3は200以上の金融機関やフィンテック企業、業界団体のネットワークだ。R3が手掛けるコルダ(Corda)はオープンソースの分散型台帳プラットフォームであり、金融分野での複雑なトランザクションを処理するように設計されている。

 今回のR3参加について、LCUCに参加するサーバス信用組合のイーベス・オーガーCIOは次のようにコメントしている。

「LCUCはR3と協力して分散型台帳技術の分野をより深く探求し、我々のメンバーの成功を築くことができることをうれしく思う。豊富な知識とユースケースの可能性に我々が触れることができるになる。これがR3とのパートナーシップが正しい選択であったと感じる理由である」

 LCUCは、新技術を活用することで、カナダの信用組合の競争力をより高めることを目指す。LCUCは以前にも、モバイル決済などのプロジェクトに参加している。LCUCは人工知能やクラウドコンピューティングなどでも取り組みを進めているという。

 今月はじめ、R3は企業向けのコルダ・ブロックチェーン「コルダ・エンタープライズ」をリリースしたと発表している。コルダ・エンタープライズは、コルダのノードと通信しながら企業データセンター内にプラットフォームを実行できるようにする、「ブロックチェーン・アプリケーション・ファイアーウォール」を備えている。

 またR3は6月、パートナーとなっている金融機関39社が、R3の顧客確認(KYC)のアプリケーションを使って300件以上の取引を完了したと発表した。この取引は、19ヵ国で実施された。このアプリケーションは、コルダのネットワーク経由で、顧客のKYCデータを共有する仕組みだ。