ブロックチェーン・コンソーシアムのR3と提携している39社の金融機関が、R3の顧客確認(KYC)アプリケーションを通じて300件以上の取引を完了した。6月28日のR3のブログ記事で発表された。

 R3のKYCプロジェクトには、ドイツ銀行、ING、エジプト国立銀行、ライファイゼン・バンク・インターナショナルといった、世界中の大手金融機関や銀行が参加した。コロンビア中央銀行やボストン連邦準備銀行、コロンビア金融監督局といった規制当局や中央銀行も参加した。

 取引は19ヵ国の8つのタイムゾーンにまたがって行われ、銀行は顧客のKYC情報へのアクセスを要求でき、クライアントはアクセスの承諾・取消ができた。プロジェクトの参加者はマイクロソフト・アジュール上で合計45個のノードを走らせ、CorDappを用いてコルダ・ネットワーク介したデータ共有を行った。

 R3のデービッド・E・ラッターCEOは、このコルダを基盤としたKYCアプリケーションの目標は、通常「遅くて時間がかかる」金融取引のための顧客身元確認手続きを高速化することだと述べ、「ブロックチェーンを基盤としたKYCソリューションの需要が高まっている」とも指摘した。

 アジュール・ブロックチェーン・エンジニアリングの主任プログラム・マネージャーであるヨーク・ロードス氏は、この計画には金融部門によるブロックチェーン・プロジェクトの開発工程を支援するために「技術と業界の専門家」を結び付けるという意図があり、「共同事業の問題の解決を目指している」と述べた。