仮想通貨取引所とメディア事業を手がけるブリッシュが、米国での新規株式公開(IPO)を通じて5億6800万ドル~6億2900万ドルの資金調達を目指している。すでに大手機関投資家からの関心を集めており、注目度は高まっている。

IPO申請から数週間後の今回、ブリッシュは米証券取引委員会(SEC)にF-1書類を提出し、2030万株の新株発行計画を明らかにした。想定時価総額は最大42億ドルに達する見込みだ。

IPOが承認されれば、ブリッシュ株は早ければ8月12日にも上場される可能性がある。

提出書類によれば、ブラックロックおよびARKインベストメント・マネジメント傘下の子会社が運用する投資口座が、IPO価格で最大2億ドル相当の株式購入に関心を示している。

また、ブリッシュはIPOで得た資金の一部を米ドル建てステーブルコインに転換する方針であることも明らかにした。

ブリッシュは機関投資家向けのデジタル資産プラットフォームを運営しており、米国を除く50以上の法域でサービスを展開している。さらに同社は、2023年11月にデジタルカレンシーグループから「コインデスク」を7260万ドルで買収し、仮想通貨メディア事業にも参入した。

コインデスクは大手仮想通貨メディアであり、F-1書類によれば、2024年の月間ユニークユーザー数は平均490万人に達している。

仮想通貨関連のIPOが活発化

ブリッシュは、上場を目指す複数の仮想通貨企業のひとつである。

7月には、デジタル資産のカストディサービスを提供するビットゴーが米国でのIPOを申請したが、株数や評価額は開示されていない。

先週には仮想通貨取引所クラーケンがIPOを通じて5億ドルの資金調達を計画していると報じられた。同社の評価額はおよそ150億ドルと見積もられており、過去の評価額である約110億ドルを大きく上回っている。

また、仮想通貨取引所OKXも、最近米国内でのサービスを再開したことを受け、米国でのIPOに向けた準備を進めているとされる。

今年最も成功した仮想通貨株のひとつは、ステーブルコイン発行企業サークルによるものである。同社はCRCL株の上場により、その時価総額を数十億ドル単位で押し上げた。サークルは上場前に、機関投資家からの強い需要を受けてIPO目標額を9億ドル近くに引き上げていた。

仮想通貨関連のIPOが活発化している背景には、米国における規制整備の進展と、デジタル資産に対する機関投資家の関心の高まりがある。

先月、米国のトランプ大統領は、ステーブルコインに関する重要法案「GENIUS法案」に署名した。さらに米下院は、市場構造や中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する2つの法案を、8月の休会前に可決している。

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