ボストン連邦準備銀行がデジタル通貨のコンセプトをより深く理解するため、マサチューセッツ工科大学(MIT)とパートナーシップを締結した。

同銀行はMITの研究者たちと協力し、「仮想の」中央銀行デジタル通貨(CBDC)の使用事例を開発・試験するための複数年にわたるプロジェクトに取り組むと、ラエル・ブレイナード連銀理事がサンフランシスコ連邦準備銀行での演説時に述べた

彼女はデジタル通貨がプライバシー、不法行為、および金融安定性に関してチャンスと脅威の両方をもたらすと述べ、連銀はCBDCを作り出す道筋をつけるにあたり、その両面を明確に理解する必要があるとした。

MITとの共同研究は、ボストン連銀が実践的な経験と、それらの側面の理解を得るのに役立つと期待されている。

ブレイナード理事はビットコインや、フェイスブック(Facebook)のリブラなどのステーブルコイン、および全世界で人気が高まっている中国のCBDCなどのデジタル通貨に関して、自らが持つ懸念を表明した。それらの仮想通貨は「法律上および規制上の安全予防措置や、金融の安定性、および社会における通貨の役割に関して」疑問を投げ掛けると、彼女は強調した。

そのため、もし米国が他の通貨によってもたらされる脅威を寄せ付けないようにしたいのであれば、難局にうまく対処し、デジタルドルを開発することが重要であると彼女は指摘した。

MITとの共同作業による研究の取り組みに関し、ブレイナード理事は必要に応じてCBDCに対する既存および新たな技術の利用を模索すると述べ、次のように明言した:

「この共同作業から得られる教訓は公開される。また、この取り組みを通して開発された全てのコードベースは、実験に利用してもらうためオープンソースソフトウェアとして誰にでも提供される」

また彼女は、連銀は過去2~3年にわたり、理事会技術研究所と共に組織内で実験を実施してきたと述べた。実験では「決済エコシステム、金融政策、金融安定性、銀行業務と融資、および消費者保護」に対するデジタル通貨の影響を理解するため、いくつかの分散型台帳プラットフォームが構築され、試験が行われてきた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン