ビットコイン(BTC)は7月11日、10%以上急落した。既報の通り、FRB(連邦準備理事会)のパウエル議長がフェイスブックのリブラに対して深刻な懸念を表明したことが急落要因と指摘する声があったが、米主要経済メディアも同じ論調で伝えており、仮想通貨業界・伝統的な金融業界の双方でリブラを軸にビットコイン価格が動いたというストーリーが形成されつつある。
(出典:Coin360)
Coin360のヒートマップは真っ赤に染まっている。きっかけになったのは、FRBのパウエル議長によるリブラに深刻な懸念発言だ。
過去数週間でビットコインが上昇した背景には、リブラのホワイトペーパー発表があったという見方は多い。リブラのおかげでビットコインをはじめとした仮想通貨業界の信憑性が増すという声や、中央集権的なリブラ普及のおかげで逆にビットコインの真の価値に気づくという見方まで出た。
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ただリブラに対して懸念を表明する政治家は中銀関係者は多く、今回のFRB議長の発言によってリブラ開発に対する不透明感が一気に高まった。
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米国金融関係者が毎日欠かさずに視聴する米主要メディアのCNBCも、FRB議長の発言によってビットコインが下がったと報道している。
執筆時点(7月11日17時)までの24時間でビットコイン/米ドルは10%以上下落し、1万1530ドルで推移している。数日前までは1万3160ドルまで上昇し、今年の最高値を狙う位置につけていた。
(出典: Coin360「ビットコインの価格(7日間)」)
一方、ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインも急落している。トップ20で15%以上下落した通貨も複数ある。
イーサリアム(ETH)は、300ドルのサポートを再び割り込み、272ドルまで下がった。
(出典: Coin360 「イーサリアムの価格(7日間)」)
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版