仮想通貨取引所バイナンスは23日、台湾のブロックチェーンスタートアップのナンバーズ(Numbers)に出資したと発表した。投資額は非公開。ナンバーズはブロックチェーンを使った個人データ収益化に取り組んでいる。

ナンバーズは、オープンで透明性があり追跡可能なデータ共有・検証・管理システムの構築を目指している。同社のオープンソースアプリケーションにより、個人が自身のデータを所有し、収益化することができるようになるという。

ナンバーズは昨年、ショア財団やスタンフォード大学、IBMと協力して、HTCが開発したブロックチェーンスマートフォン「Exodus」にプリロードするデータトレーサビリティシステムを開発している。

バイナンス側は、ナンバーズのアプリケーションとバイナンスの独自ブロックチェーン「バイナンスチェーン」とを統合させる考えだ。

「ナンバーズのアプリは、ハードウェアベースの鍵管理システムであるジオン(Zion)を介して、バイナンスチェーンと統合され、開発者コミュニティにバイナンスチェーンの利用やハードウェアウォレット保護、デジタル署名などへの簡便なアクセスを提供する」

ナンバーズの共同CEOのボフ・チェン(Bofu Chen)氏は、オープンデータフレームワークを通じて、追跡可能な信頼できるデータ作成を支援したいと述べている。同氏は、このようなデータ取引が社会により多くの信頼と効率性をもたらすと主張。同時に、個人の情報に対して報酬を与えるようになるという。

チェン氏は、バイナンスとの関係は投資だけに限定されないと説明している。

「バイナンスからの投資は、より多くのユースシナリオを模索し、技術とビジネスの開発を加速するのにつながる。また、2020年に開発者コミュニティ向けに構築したライブラリをオープンにすることで、より多くの開発者が我々の成果を活用し、バイナンスチェーンをより簡単に使用できるようになる」

バイナンスは、今回のナンバーズ以外にも積極的にスタートアップへの投資を行っている。最近では、仮想通貨デリバティブ取引所FTXに戦略的投資を実施している