仮想通貨取引所バイナンスは、ペイメントアプリ「バイナンスペイをパブリックアルファ版でリリースした。このアプリは非接触型ピアツーピア仮想通貨決済機能を持ち、ユーザーはビットコイン(BTC)などの仮想通貨で支払や受取ができるようにする。

バイナンスは当初、昨年2月にP2P決済向けのソフトローンチでバイナンスペイを展開していた。今回はマーチャントベースのトランザクションなどの新機能を備えたアルファ版としてリリースされ、すべてのユーザーが利用できるようになった。

バイナンスの広報担当者によれば、新しいサービスは特定の地域に限定されることなく、「Binance.comのすべてのユーザーが利用できる」という。バイナンスペイの使用を開始するには、ユーザーはバイナンスにサインアップして、本人確認を完了させる必要がある。

「ユーザーは、バイナンスアプリのペイ機能にアクセスして、サービスを開始するためにペイ専用アカウントを設定する必要がある。これが有効化されると、ユーザーはスポットウォレットからペイウォレットに資金を移動させることができる」という。

バイナンスペイは、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)など30種類以上の仮想通貨をサポートし、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ブラジルレアル、トルコリラの5つの法定通貨をサポートしている。

バイナンスのチャンポン・ジャオCEOは、バイナンスペイの手数料ゼロの仕組みによって、法定通貨ベースの決済ネットワークの欠点を埋めることができると考えている。

「従来の決済インフラサービスには、高い取引手数料が伴っていた。このバイナンスペイは、従来の金融の多く野問題と制約を解決する方法の1つであると考えている。金融はデジタル世界、デジタル経済へとまさに突き進んでおり、仮想通貨はこの変化の中核にある。仮想通貨は変化を必要とする世界の多くの人々に利益をもたらしている」

伝統的な決済企業も仮想通貨の可能性を認識し始めている。世界最大の決済企業の1つであるマスターカードは、2021年に仮想通貨を使用できるようにする計画を発表した。ライバルであるVisaも1月、仮想通貨決済へのコミットを改めて表明している

デジタル決済大手のペイパルも、2020年11月に米国で仮想通貨取引サービスを開始。2月はじめにはプラットフォーム全体で仮想通貨決済の提供を検討していることを明らかにしている。