ブータン政府が今週、1億ドル以上に相当するビットコイン(BTC)を移動させた。このタイミングが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げと重なったことで、市場への売り圧力懸念が広がっている。
ブータン政府ウォレット、913BTCを新規アドレスへ
木曜日、ブータン政府とラベル付けされたウォレットから913BTC(約1億700万ドル)が2つの新規ウォレットに移された。
ブロックチェーンデータプラットフォームのルックオンチェーンによると、元のウォレットには依然として9652BTC(11億ドル超)が残っている。
今回の移動は、ブータン政府が保有資産の一部を売却する準備に入っている可能性を示すものだ。仮に全保有分を売却するとなれば、市場に10億ドル以上の供給が流入する可能性がある。
なお、アーカムのデータによれば、このウォレットは1か月前の8月18日に9200万ドル相当のビットコインを移動させていた。
ブータンは現国王ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王の下で仮想通貨を積極的に採用してきた。水力発電を活用したビットコインマイニングや仮想通貨準備金の構築といった取り組みを進めている。
2024年9月、アーカムはブータンの投資部門であるドゥルク・ホールディング・アンド・インベストメンツの最初のビットコインアドレスを特定した。同アドレスは約7億8000万ドル相当の仮想通貨を保有しており、仮想通貨導入が新興国経済に与える恩恵を示す事例となっていた。
クジラも利下げ前に動く
ブータン政府の移転は、他の大口保有者(クジラ)による動きとも重なった。
水曜日には、12年間眠っていた匿名のクジラが目を覚まし、1億1600万ドル相当のビットコインを移動させた。この投資家が当初取得した価格は1BTCあたりわずか847ドルで、当時の総額は約84万7000ドルに過ぎなかった。
このBTC移動は、注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合直前に行われた。会合では今年初の利下げが決定された。
ビットゲットのチーフアナリスト、ライアン・リー氏は「利下げ発表を受けてビットコインは一時11万7000ドルを突破したが、年内合計50ベーシスポイントという中央値予測が楽観論を抑え、短期的な変動リスクを生んでいる」とコインテレグラフに話す。
さらにリー氏は「歴史的に、仮想通貨は利下げ直後に5~8%下落した後に再び上昇に転じる傾向がある。短期的には『材料出尽くし売り』の局面が訪れる可能性がある」と付け加えた。
その上で「短期的にはイーサリアムやソラナがETF流入やネットワーク要因によってビットコインを上回る可能性がある。一方、ビットコインは保ち合いを経て、追加利下げが実現すれば12万3000ドルから15万ドルを目指す展開になり得る」と指摘した。
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