韓国の中央銀行である韓国銀行はブロックチェーンを基盤にした債券発行システムの構築を進めている。地元紙の Yonhap Infomaxが2月18日に報じた

韓国銀行は、2019年に実証実験を開始し、現在韓国有価証券保管会社(KSD)によって維持される債券の取り引き記録からブロックチェーン基盤で複数のノード(ネットワークに参加するコンピューター)によってアクセスできる債券システムへの意向を目指している。

ノードは、韓国の規制当局や韓国の公正取引委員会、韓国銀行、その他の規制機関によって管理されるという。

また、地元の規制担当者は、韓国の複数の規制当局がブロックチェーンを使って債券を発行する実験を行っていることを確認した。

「政府の債券を使って証券や現金取引を分散型台帳で記録し、リアルタイムで同時に決済可能な支払いシステムは実現可能なのかテストしている」

韓国銀行は、世界で初めてブロックチェーンのみを使って債券を起債した世界銀行のシステムを参考にしているという。

世界銀行は2018年8月、ブロックチェーンで債券を起債し、期間は2年間で、規模は1億豪ドル(約80億6000万円)を調達した。

ブロックチェーン起債

ブロックチェーンを使った債券起債の試みは広がっている。

2月初めに仮想通貨イーサリアム(ETH)共同創設者ジョセフ・ルービン氏率いるコンセンシスが米証券会社(ブローカー・ディーラー)「ヘリテージ・フィナンシャル・システムズ」を買収。ヘリテージを買収することで、トークン化した地方債の発行に向けた技術関連の支援アドバイザリー、また証券関連業務を地方自治体市場において強化する予定だ。

具体的にコンセンシスは、「コーディファイプラットフォームにより、トークン化した地方債・市町村債(mini-muni bonds)を開発し、地方自治体などの発行者が少額証券を販売する機会を提供するサービスを検討しているという。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン