中央銀行デジタル通貨(CBDC)は今日直面している問題を解決できないかもしれないが、まだ想像もしていない問題への答えとなるかもしれない、とオーストラリアのCBDCパイロットの指揮を執る人物は述べている。

リップルの元幹部で、現在はオーストラリアのCBDC研究プロジェクトを率いるディリップ・ラオは、中央銀行が発行する通貨は、まだ考慮されていない用途に対して構築される可能性があるとコインテレグラフに語った:

「それは今日の問題を解決しないかもしれませんが、明後日の問題を解決するかもしれない」。 ラオ氏はデジタル金融研究センターの研究プログラムディレクターを務めており、同センターは潜在的なCBDCのユースケースを探るために中央銀行と協力している

しかしラオ氏は、個人がCBDCを使用したい、または必要とするのかという疑問にはまだ答えられていないとも話した。

ラオ氏によれば、将来の使用例として考えられるのは、大手機関投資家が市場でトークン化された資産を取引する際、リスクを軽減するためにCBDCを使用するかもしれない。

オーストラリアのCBDCパイロットは14の可能なユースケースを調査している。ラオ氏は、まだ公開されていないこれらのテストに関するレポートは、さらに調査が必要なものを絞り込むことになるだろうと話した。

「すべてのユースケースでCBDCが必要というわけではない」と彼は言う。彼はさらに、「人々がCBDCに価値を見出す」必要があると述べている。

少なくともオーストラリアでは、CBDCのもう一つの障害は法改正が必要なことだ。

そのような変更が議会を通過するためには、「政治家たちが乗り出す必要がある」とラオ氏は述べ、これは広範な世論を含めた議論が必要となる。

そのような議論は「人々が解決されることを望む問題」に焦点を当てるだろう、とラオ氏は語る。「政治家は票を失うようなことはしない」と彼は付け加えた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン