JPモルガンは、ビットコインが13万ドル以上に達すると予想し、アーク・インベストはビットコインの時価総額が金を上回ることになると予想している。

両者の楽観的な強気予想は、ビットコインの希少性が安全資産としての人気を高めることが元になっているようだ。

BTC/USD 1-day price chart (Binance). Source: TradingView

ビットコインに楽観的な理由は?

既報のように、米ドル指数は下落傾向にある。インフレへの懸念と金融市場の流動性増加によって、ドルのような基軸通貨が減価しているためだ。

アーク・インベストは、例として、ビットコインが将来的に50万ドルに近づくと見ており、時価総額が金を上回ると予想している。現在はビットコインの時価総額は金の約10%ほどだ。

ビットコインなど仮想通貨を10億ドル以上保有しているウィンクルボス兄弟も過去に同様の意見を述べている。

タイラー・ウィンクルボス氏は、「ビットコイン50万ドルに向けて(The Case for $500K Bitcoin)」と題したエッセイの中で、次のように述べている。

「現在、地上に出回っている金の時価総額は控えめに見ても9兆ドルです。もしビットコインの評価に金の枠組みを使うことが正しく、ビットコインがこの道を歩み続けるなら、ビットコインの強気シナリオは45の倍数で過小評価されているということになる。言い換えれば、ビットコイン価格は現在の45倍に評価される可能性があり、それは1ビットコインあたり50万ドルになることを意味する」

一方のJPモルガンは、より保守的な13万ドルを目標としている。これが実現される場合には、ビットコインの時価総額が2兆7300億ドル程度になることから、ビットコインの短期的な目標としては現実的な数値だろう。

ウェルト(Welt)のマーケットアナリストで、仮想通貨コメンテーターであるホルガー・ズシャピッツ氏は次のように指摘している

「JPモルガンは130000ドルのビットコインターゲットを設定した。しかし長期リスク調整後のビットコインの理論価格である130000ドルは、現在のボラティリティー比率に基づくと24000ドルから30000ドルにまで下がる。ビットコインのボラティリティが金のボラティリティに収束することを考慮すると、大きく上昇する可能性がある」

ただし、ズシャピッツ氏は、長期リスク調整後のビットコインの価格は将来的に下落する可能性があり、それは長期的なボラティリティの傾向を予測することが難しいためだとしている。

トレーダーの見解は?

仮想通貨トレーダーであるスコット・メルカー氏は、ビットコインがS&P500や米国株式市場に対して良好なパフォーマンスを示しており、価値の保存手段として依然として有利であることを強調し、短中期的には強気構造が続くと指摘した。

「ビットコイン対米株価指数を見ると、多くの資産は米ドルが下落していることから、価値が「上がって」いるようだ」

Bitcoin vs. SPX. Source: TradingView

一方で、BTCJackSparrowとして知られる仮想通貨トレーダーは、ビットコインの売却価格と購入価格の比率であるSOPR(spended output profit ratio)から、短期的に利益確定で下落すると予想している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン