米財務長官スコット・ベセント氏は31日、米政府が中国企業による特定技術へのアクセスを制限していた措置を一時停止すると発表した。
ロイター通信によると、この緩和措置は、中国側が電子機器や防衛用途に使用されるレアアース鉱物の輸出規制を停止することに合意した見返りとされる。
ベセント氏の発表は、数週間にわたって続いてきた米中間の貿易緊張緩和の流れを受けたものであり、通常であれば仮想通貨市場にとって好材料とみられる。
しかし、直近の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合とジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が市場心理を冷やした。パウエル氏は、12月の追加利下げをめぐり「FOMCメンバー間で強い意見の相違がある」と述べ、木曜の市場に波乱をもたらした。
FRBはまた、金融システム内の流動性を抑制する量的引き締め(QT)の終了も示唆した。流動性の増加は通常、仮想通貨価格にとっても好材料とされる。
それでも、量的引き締めの終了から量的緩和(QE)の開始までの間には、通常ギャップが生じる。金融システムに資金が積極的に注入されるまでの間は、流動性不足により仮想通貨価格がさらに下落する可能性がある。
FOMC会見後に仮想通貨市場の清算額が10億ドルを突破
FRBが量的引き締めを終了した2019年には、ビットコイン(BTC)価格が35%下落した。このため、投資家の間では現在の市場サイクルでも同様の展開が起こるのではないかという懸念が高まっている。
パウエル氏は水曜日のFOMC記者会見で、FRBが政策金利を0.25ポイント引き下げたにもかかわらず、今後の金融政策の方向性について明確な姿勢を示さなかったことが市場の不安を招いた。
「インフレは2022年半ばのピークから大きく鈍化したものの、依然としてわれわれの2%目標を上回るやや高い水準にある」とパウエル氏は述べた。
さらに、FRBの「最大雇用」と「物価安定」という二重の使命のバランスを取ることに苦慮していると付け加えた。
「12月にどのような方針を取るかについては強い意見の対立があった。12月会合で追加利下げを行うことは決して既定路線ではない。むしろその逆だ。政策はあらかじめ決められた進路にはない」とも述べた。
ナンセンのデータによると、FOMC会見後24時間以内に仮想通貨市場から11億ドル以上が清算され、ビットコイン価格は10万7,000ドルを割り込み、200日指数平滑移動平均線(EMA)という重要かつ動的な支持水準を下抜けた。
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