ファクトセットのアナリストらは、仮想通貨マイニングの勢いが衰える一方で、エヌビディアの18年5~7月期の業績が増収となると予想している。マーケットウォッチが10日に報じている。増収の要因は、ゲームデバイスとデータセンター向けの需要が堅調なためだという。

 アナリストらは、仮想通貨マイニング装置による収益は減少するとみているが、ゲームおよびサーバー関連の売上高が大幅に増加すると予想する。エヌビディアのゲーム部門の売上高は前年比47%増の17.5億ドル、でーたーセンターの売上高は78%増の7.4億ドルとなる見込み。

 エバーコアのアナリスト、CJ・ミューズ氏は「データセンター/AIは、エヌビディアにとって重要な領域だ」と指摘し、次のように付け加えている。

「我々は、イーサリアムなどの仮想通貨のGPUマイニングの落ち込みへの懸念が大きく誇張されているとみている」

 エヌビディアは5月に18年2~4月期の仮想通貨関連の売上高が2億8900万ドルになったと発表。これは同社の2~4月期の売上高全体の9%にあたる。仮想通貨マイニング向けのチップはOEM(相手先ブランドによる生産)の収入の76%を占め、前の期から115%増となった。

 しかしエヌビディアは5~7月期に仮想通貨関連の売上高が3分の2に減少するとの見通しを示した。

 実際にエヌビディアの予想を証明するかのように、仮想通貨市場の落ち込みを受けてGPUの価格も下落。エヌビディアの競合であるAMDのCEOは4月、ブロックチェーンは重要だが「短期的には多少の混乱をもたらすものだ」と語っている。

 その一方で新しいマイニング装置の開発も進んでいる。ASUSは5月に仮想通貨マイニング向けマザーボードを発表。北米で今年第3四半期に投入する予定だ。