米仮想通貨ウォレットのアブラ(Abra)はこのほど、ビットコイン(BTC)を使用することで世界中の投資家が株式や上場投資信託(ETF)に投資できるようにする新機能を導入したこれにより、世界中で155カ国以上の投資家が、主要な仮想通貨を使用することで最低5ドルから、2019年中は取引手数料ゼロで50の新しい伝統的な投資資産にアクセスすることができる。

これらの資産には、フェイスブック、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、ネットフリックスなどの主要株式、SPDR Gold Trustなどの商品、Vanguard GrowthやS&P 500などのETF(上場投資信託)、およびラッセル2000などのインデックス商品が含まれる。

アブラプラットフォームの株式およびETFの投資機能は、Crypto Collat​​eralized Contract(C3)と呼ばれる新しい投資モデルに基づいているという。アブラによれば、これにより、投資家はビットコイン(BTC)およびスマートコントラクトを使用してあらゆる資産に投資することが可能になった。

アブラCEO「仮想通貨銀行へと進化」

アブラCEOのビル・バーハイト氏は、アブラが提供するサービスにより同社がグローバルな仮想通貨銀行(クリプトバンク)へと進化することを可能にする、とチェダーへのインタビューで述べている。同氏の語る仮想通貨銀行は顧客が自らの仮想通貨(もしくは法定通貨)を管理し、投資や融資、送金を行うというものだ。

バーハイト氏は今回の取り組みの意義について、次のように語る。

「メキシコ、インド、中国、東南アジア、そしてヨーロッパの一部の地域の消費者は西側の投資機会から完全に締め出されている。 メキシコ全土には何千万人もの人々のために10万の投資口座しかない。これでは意味がない。私たちの使命は、金融サービスを民主化することであり、このクールな暗号化ブロックチェーン技術を使用して、その解決方法を見出した

米メディアのThe Blockのインタビューの中で、バーハイト氏は「私たちのビジョンは、グローバルなワンストップの投資アプリを作ることだ」と語る。

またバーハイト氏は、インタビューの中で、彼の会社のモデルは米国で投資アプリを手掛けるエイコーンズ(Acorns)、スタッシュ(Stash)、ロビンフッド(Robinhood)といった競合他社とは異なると主張する。

「これらのアプリのほとんどは、世界の遠く離れた地域のユーザーへの投資を許可していない。また、ビットコインに基づいているため、利用者は匿名で投資することができる。 SPDRのETFを購入するために仮想通貨をアブラにデポジットした場合、私はあなたが誰であるかを知る必要はない」

The Blockの記事によれば、専門家の一部からはアブラの取り組みが米国での規制に抵触する恐れがあると指摘している。コンサルティング企業Tabb Groupのラリー・タブ氏は、アブラのサービスが米国で禁止されている差金決済取引(CFD)に類似していると指摘し、アブラが「SECとCFTCの両方から手紙が届くだろう」と述べている。