シェイプシフトCEOに降りかかった疑惑とは 米紙WSJによる「SEC調査開始」報道の詳細

仮想通貨ローン会社のソルト・レンディング・ホールディングスは、同社が17年に行った5000万ドルのトークンセールについて、アメリカ証券取引委員会(SEC)による捜査を受けていることがわかった。米経済メディアのウォール・ストリート・ジャーナルが11月15日に報じた。ソルトは以前、仮想通貨界の重鎮であるエリック・ボールヒーズ氏ともつながりがあった企業だ。コインテレグラフでは第一報を報じたが、そのより詳細な内容を報道をもとにひも解く

16年に設立されたソルト(同社は顧客の保有する仮想通貨を法定通貨ローンに対する担保として使用している)が今年2月、証券規制当局から召喚状を受け取っていたことが「この問題に詳しい情報筋」からの話として伝えられている。

SECは数ある問題の中でも、ソルトによる17年のトークンセールが有価証券規制に違反していなかったか(例えば、SECに登録すべきものではなかったか)、トークンの売却代金はどう使われたか、ソルトの従業員がトークンを受け取った方法について捜査するとされている。

仮想通貨取引所であるシェイプシフトのCEOとしてよく知られているボールヒーズ氏は、ソルトにおける「指導的」役割を果たしたと報じられているまた、17年8月に最初のSALTのトークンセールが行われる5日前、SECへの提出書類には「取締役」としてはっきりと記載されていた

この後者の点が現在の大きな争点となっているボールヒーズ氏はかつてSECによる捜査を受け、個人取引による資金調達を事実上禁止されていたためだ。ボールヒーズ氏は14年、同氏の初期のビットコイン(BTC)関連ベンチャー2社に関わる有価証券の公募が未登録だったとされたことについて、罰金および不正利得返還として5万ドルを支払い、SECと和解している。

元SEC部門長でもある、ロープス&グレー法律事務所のキース・ヒギンズ氏はWSJに対して次のように語った。

「(14年の)和解での条件により、ボールヒーズ氏は非公開で規制を受けていない株式売却についてSECのセーフハーバー・ルールの適用を受けられない、いわゆる『悪質行為者 (bad actor) 』となっている」

WSJの調査によると、ボールヒーズ氏はソルトが17年夏にSECへ提出した書類に名前が記載されているだけでなく、同社サイトや宣伝資料にもソルトの取締役として名前が挙げられていた。ソルトは17年11月、同社の調達した金額を150万ドルと申告しつつ、ボールヒーズに対する言及を避けながら、SECへの情報開示を修正したと報じられている。

ソルト幹部のジェニファー・ニールソン氏はWSJに対してソルトが2月に召喚状を受け取ったことを認め、 ボールヒーズ氏がソルトへの「初期出資者」ではあったことを明らかにしたものの、同氏は「もはや正式な地位で職務を行ってはいない」と述べた。

有価証券規制に詳しい弁護士らは、SECがボールヒーズ氏の関与を法律違反と判断する場合、同社に対して民事制裁金を求める可能性もあると語っている。

ソルトはこの捜査の他にも、米コロラド州でソルトの元財務担当者から民事訴訟を起こされている。 この原告は同社が内部関係者に対して有利な条件で融資していたこと、18年2月のハッキングで400万ドル相当の仮想通貨を失ったことを訴えている。報道によると、ボールヒーズ氏はこの事件の被告として名前を挙げられていない。

14年のSECとの和解でボールヒーズ氏の代理人を務めたブライアン・クライン弁護士はWSJの記事を受け、ツイッター上で次のようにコメントしている。

「私は@ErikVoorheesの代理人を務めたことに誇りを抱いている。彼は真に先見の明がある人だし、SECとの和解条件にも従ってきた。この@WSJの記事は根拠のない疑惑と匿名の情報源に基づいた、彼への不当な攻撃だ。そして彼は取り上げられている訴訟に関係する当事者ですらない」

ボールヒーズ氏はすでにこの9月、「不正に取得された資金900万ドルがシェイプシフトを通じて洗浄された」と主張するWSJの報道に反論し、WSJが同取引所の提供した情報を不正確あるいは省略して伝えていると主張している。