豪州がICOガイドラインをアップデートへ、規制当局トップが講演

 オーストラリア証券投資委員会(ASIC)のジョン・プライス委員長は、シドニーで26日に開催されたフィンテックイベントで講演し、今後数週間以内にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)と仮想通貨に関する現在の規制ガイドラインをアップデートすると語った。

「ブロックチェーンやICOのような革新的なテクノロジーの発展は、私たちの社会に関わる金融商品やサービスに革命的な変化をもたらす可能性を秘めている。しかし革命にはリスクが伴う…詐欺は構築された信頼を腐食していく。そのようなことが行らないよう、私たちすべてが役割を担わなくてはならない」

 プライス氏は講演で消費者保護に焦点を当て、海外で発行されるICOであってもオーストラリアの会社法と消費者法が適用されると強調した。

 昨年、ASICは、ICOを検討している企業に対してガイドラインを発表した。提供されるトークンのタイプに応じて、オーストラリアの会社法が適用される可能性があるとしている。ICOは「管理投資スキーム」、株式またはデリバティブの発行、もしくは「非現金決済手段」と見なすことができるとしている。プライス氏は「発行やマーケティングについて、誤解を招いたり、詐欺的な行為を行わない基本的な義務がある」と強調した。

 プライス氏は、このことが「長期的に社会の信頼を得て、より成熟した分野となることで(仮想通貨業界の)利益となる」と述べ、ASICが現在、仮想通貨の「税制やマネーロンダリング対策、決済手段、金融サービス」の枠組みを明らかにするため他国の規制当局などと協力していると付け加えた。

 プライス氏によれば、ASICは「新しいテクノロジーや黎明期にあるビジネスモデルに対してオープン」であり、「適切な規制環境」を整えることがフィンテックイノベーションの「開花」につながると考えている。

 欧州やアジア、米国では、仮想通貨領域に関して規制推進の機運が高まっている。特にICOは業界全体で広がりを見せており、マネーロンダリング対策(AML)と顧客確認(KYC)といったコンプライアンスの必要性も高まっている。規制の動向が不明確であることの影響は一部で出始めているおり、投資家の一部は規制が明確になることで長期的にはプラスになると考えている。