「屋根が一部破損してしまった」「雨どいが外れてしまっている」など、日本は毎年の様に台風による被害が報告されていますが、それら風災で被害を受けた場合、火災保険で対応する事は可能なのでしょうか?

いざ被害にあってしまうと、何すればいいのか、保険で対応可能なのか、分からずに困ってしまう方も多いと思います。

今回は風災について、火災保険で保証可能なのか、実際に損害にあった場合どの様に対処すればいいのか、紹介していきます。

ぜひ、参考にして、いざという時の為にしっかりと備えておいて下さいね。

風災とは何なのか、どんな災害の事?

風災と聞いても、どんな災害の事をいうのか、イマイチ分からないという方もいるのでは無いでしょうか?

「風災」とは、台風、竜巻、暴風、※せん風、による自然災害で被害を受けた場合を言います。(※せん風とは、渦巻き状の風の事。竜巻よりも小規模のもので、直径50m以下のもの。)

日本は毎年必ずといっていい程、台風が発生しますが、ニュースで大きな被害に遭われている方もよく見ると思います。

台風などはいざ来てみると、予想よりもはるかに勢力が強かったり、竜巻などはいつ起こるのか予測しにくかったりと、事前の対策も難しい場合が多いと思います。

この様に風災はいつ来るのか、実際の強さなど、予測しにくいものですので、万が一に備えて保険を掛けておくと安心です。

火災保険で風災の被害は申請可能?

風災の被害にあった場合は、火災保険で申請可能です。

「火災保険なのに、風災の保証が出来るの?」と思われた方もいると思いますが、火災保険には、火災以外にも自然災害による損害など幅広く保証可能なのです。

具体的に火災保険には、「火災、風災、落雷、雪災、水災」などの自然災害による保証があり、その他「破損・汚損、盗難」といった予測出来ない突発的な損害に対しての保証もあります。

その為、風災の被害に遭われた場合、条件を満たしておれば、火災保険で対応出来ます。

保証を受けるにはどんな条件がある?受け取るまでの流れ

風災の保証を受けるには、一定の条件を満たしていなければ、保証を受け取る事は出来ません。

ここからは、保証を受ける為の条件と、実際に受け取るまでの流れを説明していきます。

保証を受けるための条件とは?

「風災」の補償を受ける為の一つ目の条件は、「そもそも風災の保証がついているか」という事です。

火災保険はいくつかの保証プランをご自身で選択可能です。当然保証が少ないプランを選ぶと、保険料もその分安くなります。

その為風災の保証に関しては付帯していないという方も中にはいるかも知れません。今一度自分の火災保険では風災も保証の対象となっているのか、確認が大切です。

また、保証内容を確認する際に家財についても保証が付帯されているか確認しておきましょう。

火災保険では「建物のみ」「建物+家財」「家財のみ」と保証の対象となるものを選択出来ます。

「建物のみ」にしてしまっている場合、建物についての損害は保証出来ますが、それにより家財に損害が起こってしまった場合の保証については対象外となってしまいます。

「わざわざ家財の保証も付ける必要があるの?」と思われがちですが、風災によって家財も損害が出てしまうという事は意外に多くあるんです。

例えば、「台風で瓦が一部破損してしまい、そこから雨漏りし家のテレビが壊れてしまった」「強風により窓ガラスが割れ、窓から雨風が吹き込み、室内の家電が駄目になってしまった」など予期せぬ事で家財にまで被害が及んでしまう事もあります。

その為、建物と家財どちらも保証が出るように付帯しておくのが大切です。

二つ目は「最大瞬間風速が20m以上の強風」である事です。風速20m以上というのは、風に向かって歩くのが困難であり、傘もさせない程の風の強さです。台風と違い、暴風やせん風というのは、定義が難しくあいまいになってしまいがちですので、この様に一定の条件があります。

保険金を受け取るまでの大体の流れ

実際に被害にあった場合は、まず保険会社へ連絡します。保険会社へ連絡すると、被害の状況を聞かれます。

いつ被害に気づいたのか、建物のどの部分にどんな損害が起きているのか、分かる範囲で構いませんのでしっかり伝えましょう。

あらかじめ、伝えたい事をメモしておいたり、実際の損害個所の写真を撮っておいたりしておき、必要な情報を確認しながら伝えるとスムーズです。

損害があった旨の報告をしたら、必要な書類を提出しなければなりません。保険会社から送られてくる、事故受付表や実際に損害のあった個所の写真など用意し、保険会社へ提出します。

その後保険会社が現場へ実際に調査に来ます。「経年劣化によるものでは無いのか?」「風災での被害なのか?」実際に損害にあった個所が火災保険で適用出来るのか判断します。

調査が終わり保険会社から保険の申請が可能という報告受けたら、保険金を受け取る手続きをします。

保険金を受け取るには、業者へ依頼して修理見積もりを出してもらいます。この修理見積もりは、保険会社の調査が来る前に事前にお願いしていても構いません。修理見積もりを保険会社へ提出し問題がなければ、保険金を受け取れます。

保証が受けられない場合もある?

火災保険で風災による損害は保証が可能と分かりましたが、保証を受けられない場合というのもあるのでしょうか?ここからは、保証を受け取れない理由やその対処法について紹介していきます。

保証が受けられない理由とは

保証を受け取れない理由の一つ目は、「3年以上経ってしまった損害」です。

火災保険は「3年以内に起こった損害でかつ支払われる条件を満たしていれば保証を受けられる」と定められています。

その為、3年以上経ってしまった損害に関しては保証を受け取る事は難しくなってしまいます。

損害が起きたらなるべく早めに保険会社へ報告する方が良いでしょう。

二つ目は、「経年劣化」などによって行った被害です。

火災保険は、「不足かつ突発的に起こった災害や事故などにより保険の対象に発生した損害や費用を保証する保険」と定められています。

その為、建物の「経年劣化」によって起こったヒビやサビというのは、補償の対象外となってしまいます。

建物の一部が経年劣化により、傷んでおりそこに台風が来てさらに被害が大きくなってしまったなどの場合は、補償の対象外となってしまう事もありますので、日頃から建物のメンテナンスはしっかりとしておきましょう。

三つ目は「窓の隙間や、通風口から雨や雪が吹き込んで建物の内部に被害が及んでしまった場合」です。

風災では、「風災が原因で建物の外部が破損してしまいそこから、雨や雪が吹き込んでしまった場合に保証の対象となる。」と定められています。その為、外部に損害が何も無ければ保証の対象とはなりません。

保証をきちんと受け取る為に

保証をきちんと受け取る為に、先述した保証対象外となってしまう場合についてきちんと理解しておき対策しておく事のが大切です。

まず、「損害が起きてから保証の対象となるのが3年間」ですが、これは損害が起きたら早めに保険会社へ報告をする事を忘れない様にしておきましょう。

3年の猶予があるのなら、後からでもいいやと時間が経ってしまうと、そこからさらに損害が大きくなってしまったり、いつ起きた災害なのか分からなくなってしまったり、状況にもよりますが、時間が経ってしまった事により保証が受け取れなくなってしまった。という事もあるかも知れません。

損害を確認したら、直ぐに保険会社へ報告出来る様に連絡先をメモしておきましょう。

また、経年劣化による損害ですが、これは普段から建物のメンテナスを定期的にするようにしましょう。

風災では、玄関の門やウッドデッキなども、保証の範囲に含めると対象可能です。しかし、ウッドデッキや門は意外に経年劣化などで、傷んでしまう場合が多々あります。

この劣化部分に気づかずに、「台風が来た際に飛んでいってしまった」「ガタガタしている」といった損害が起きてしまった場合、元々の原因が経年劣化である為、保証の対象とする事は出来ません。

日頃のメンテナンスも大切ですが、台風が来る前には事前にガタつく部分を補修しておくなど対処しておきましょう。

また、損害個所の写真をとっておく事も大切です。保険会社に報告する際に提出しなければいけませんし、なにより写真がある事で、きちんとした証拠になります。

火災保険は保険期間の間に何回でも保証を受け取れるなので、例えば、「台風がきて損害が起きたけれど、また直ぐに2回目の台風がきてしまい、違う場所に損害が起きてしまった。」この様な場合でも、条件を満たしていればどちらの損害に関しても保証を受けられます。

この時、損害の個所ごとにきちんとデータとして写真をとっておけば、どの災害の時におこった損害なのか保険会社も把握出来ますし、支払いもスムーズに行えます。

ただ、火災保険は建物の外壁や屋根など自分で写真を撮るのが難しい場合も多くありますので、修理業者に見積もりを依頼する際に写真を一緒にとってもらうといいでしょう。

風災による損害の給付事例や給付金額

実際に風災による損害やその給付金額というのはどのくらいなのでしょうか?ここからは、風災の損害事例や、給付金額について紹介していきます。

支払われる保険金の種類と金額

火災保険はいくつかの補償がありますが、風災による被害では、「風災・ひょう災・雪災」から保険金が支払われます。

建物に被害が出てしまう恐れのある、災害や損害は、「火災・落雷・水災・雪災」など想定出来るだけでも様々あります。全てに補償をかけていたら、大変なので火災保険では、いくつかの損害を一つの補償としてまとめてあるのがほとんどです。

風災の場合は、「ひょうや雪によって起こった災害」と同じくくりとして補償がされます。

支払われる金額としては、保険金額内で損害額から免責を引いた額が支払われます。

この免責金額とは、損害を受けた際に自分で負担する金額の事です。保険を掛ける際にご自身で免責を付けるかどうかは選択可能です。一般的に3万~20万の範囲で任意に設定が出来、免責金額が高ければ高い程、保険料も安くなります。

ここで注意して欲しいのが、保険料を安くする為に免責金額を高く設定してしまう事です。

万一火災保険が適用出来たとしても、免責金額分は自分で負担しなければなりません。高く設定してしまい、いざ保険を使う際に自己負担分が多すぎて困ってしまったという事が無い様に、どの程度なら、自分で負担可能なのかよく考えて設定する様にしましょう。

実際の給付事例、給付金額

風災は、やはり台風による損害が一番多い様ですが、なかには「爆弾低気圧」などによる強風によって被害を受けたというケースもあります。

どの様な被害があったのかというと、「爆弾低気圧の強風および飛来物により瓦屋根が、一部破損及び飛散してしまった」という事例です。

こちらは、屋根の修理と破損した部分の修繕として約100万の給付金が支払われています。

続いては「台風の影響で、屋根の雨どい部分が破損、一部ズレてしまった」という事例で、こちらも、修繕費として約98万の給付金が支払われています。

次の事例は、「台風により、瓦と棟が割れてしまい、また雨どい部分も一部破損している」というケースです。こちらも、瓦と棟の修繕費に雨どいの修繕費用も合わせて、約175万の給付金が支払われています。

風災の被害は屋根など足場を作らないと作業出来ない様な高い場所が多くなります。その為、足場を組む工事や作業員も複数人必要となり費用も高くなってしまいがちです。

その他注意事項

風災の損害に備えて、または実際に損害が起きた場合どの様な事に注意すれば良いのでしょうか?ここからは、注意事項として知っておいて欲しい情報を紹介します。

火災保険の中でも、風災被害は多いので、保証をきちんと付けて

火災保険の中でも一番多い事故としては、風災、水災、雪災だそうです。

また、支払い額が多い順では、火災に次いで風災は二番目だそうです。

毎日生活する家に損害が起きてしまうと、直ぐにでも修繕が必要ですが、その費用が高額だと直ぐに修理は難しいですよね?

損害の件数としても多く、損害費用も高額になりがちな風災ですので、しっかりと保証を付けておき万が一に備えておくのが大切です。

見積書を出す際は、実際に被害にあった個所のみを

保険会社へ提出する見積もりは、実際に被害があった個所のみを、修理会社に作成してもらうようにしましょう。

風災被害は屋根の被害などが一般的に多いですが、普段目に見えないからこそ、意外に経年劣化してしまっている個所もあるかも知れません。

「火災保険で被害にあった個所は修理してもらえる為、一緒に経年劣化の個所も修理してもらおう。」と思い、見積もりに入れてしまうと、その個所について保険会社から指摘を受けてしまうかも知れません。

保険会社は提出された見積もりを確認し、実際に被害があった個所を正しく修繕するのかを修理項目ごとにチェックします。

先ほどもお伝えした通り、建物の経年劣化は火災保険では補償対象外となりますので、その部分の修繕が見積もりに入っていると、確認作業が入り、保険金の支払いがスムーズに行えないかも知れません。

その為、修理会社に見積もりをお願いする場合は、保険金を請求する分と経年劣化の部分とで分けて見積もりを出してもらいましょう。

よくわからない、調べるのが大変という方には申請サポートもおすすめ

これまで風災の保証について色々と紹介してきましたが、「3年以内は保証の対象なら、一度調べてみたい」「1年前の台風が来てから屋根が少し変な気がするが、自分では中々調べられない」という方も多いのでは無いでしょうか?

風災の被害はどうしても、建物の屋根や外壁など普段中々見えにくい部分だったり、またどの損害で起きたものなのか、自分で調べようとしても難しかったりすると思います。また、時間が経ってしまっている場合いちいち業者の方に依頼するのも面倒ですよね?

そんな方には、調査を代行して行ってくれる「申請サポート」に依頼するのもおすすめですよ。

JAPAN損害調査サポートではドローンを使って撮影、調査をしてもらえるので、建物のどの部分に損害が起きているのか簡単に調べられます。

足場を組む作業も必要なく、調査と撮影も同時に行えるので、短時間で調査可能なのも嬉しいですよね。

こちら、調査などの費用も一切かからず全て無料なので、気になる方は一度依頼してみてはいかがでしょうか?

JAPAN損害調査サービス:ドローンで調査のため、調査員を屋根に登らせずに調査可能。年間1,200件以上の調査実績があり、平均135万円の給付実績あり。

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まとめ

火災保険の中でも風災の保証や給付事例について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

風災は実際の被害件数も多くまた費用も高額になってしまいがちです。いざという時に保険で対応できる様に、しっかりと風災の保証も付けておき、万が一に備えておくのが大切です。

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