人気の拡張現実(AR)モバイルゲーム「ポケモンGo」の開発元であるナイアンティック社は、新たに調達した資金で「現実世界のメタバース」を構築すると発表した。
同社は23日、テクノロジーに特化した投資マネージャーであるCoatueから3億ドルの資金調達を完了したことを正式に発表した。同社の評価額は90億ドルに達した。
Coatueは、仮想通貨およびブロックチェーン業界の主要な投資家として知られており、ブロックチェーン・インテリジェンス企業のチェイナリシスや仮想通貨スタートアップのFireblocks、ブロックチェーン・セキュリティ企業のCertiKなどの企業を支援している。また、最近では、仮想通貨のフィンテック企業であるMoonPayの5億5,500万ドルの資金調達ラウンドにも参加した。
今回の資金調達は、Coachella、Historic Royal Palaces、Lifull、集英社、ソフトバンク、Universal Pictures、Warner Music Group、PGA of Americaといった企業が拡張現実(AR)体験の構築に使用しているAR開発キット(ARDK)の開発に充てられる。
ナイアンティックは、バーチャルリアリティの開発に力を入れているMeta(旧Facebook)とは異なる姿勢を示している。ハンケ氏は「ナイアンティックでは、人間は、バーチャルな世界が物理的な世界につながるときに最も幸せになると考えている。SF的なメタバースとは異なり、現実世界のメタバースでは、何千年も前から知られている世界の経験を向上させるためにテクノロジーを使用する」と述べた。
実際にナイアンティックのARプロジェクトではヘッドセットではなく、スマートフォンを使う。ナイアンティックの創業者兼CEOであるジョン・ハンケ氏は、「私たちは、現実の世界にデジタルな創作物やエンターテインメント、情報を重ね合わせ、より不思議で楽しく、有益なものにする未来を築いていく」と述べた。
ナイアンティック社は、今回発表したメタバースがブロックチェーンやノンファンジブル・トークン(NFT)、仮想通貨がどのように関与するかは述べていない。