ベストセラー「ブロックチェーン・レボリューション」の共著者として知られるアレックス・タプスコット氏は、米証券取引委員会(SEC)から2万5000ドル(約274万円)の罰金を科せられた。SECが5月14日に公開した文書により明らかになった

SECによると、罰金を科せられたのはタプスコット氏と同氏がCEOを務める仮想通貨関連企業「ネクストブロック・グローバル」。ネクストブロック・グローバル社はカナダに拠点を置いており、同社の証券がSECに登録されたことがないにも関わらず、証券を提供していたという。

SECは罰金と同時に証券法違反の是正を求めた。

さらにネクストブロック社は、虚偽表示についても問題視された。同社はブロックチェーン関連企業およびデジタル資産への投資を目的に、タプスコット氏他3名によって、2017年6月に設立された。1600万ドル(約17億5000万円)の調達中に、4名の著名なブロックチェーン関連専門家がアドバイザーとして就任という誤った声明を行っていた。

SECの文書は、証券法に違反しているとして、次のように明らかにした。

「これらの虚偽表示は、ネクストブロックの資金調達活動のセールスポイントの一部だった。タプスコット氏とネクストブロックは、オピニオンリーダー、高名な起業家、ブロックチェーン・コミュニティの有名な人物にアクセスし、並々ならぬ関係を築いてきた。タプスコット氏とネクストブロックは、これらアドバイザーに関する声明が不正確であると認識しているか、認識しているべきだった。」

タプスコット氏は今週冒頭、カナダのオンタリオ証券委員会に14万8000ドル(約1620万円)の罰金を科され、和解の一環としてカナダのビジネススクールで倫理セミナーを主催することに同意した。またネクストブロックは、52万ドル(約5694万円)の罰金を支払った。

SECが今回の決定を下した際、これら以前の罰金も考慮されたそうだ。

フォーブスが2017年11月、ネクストブロックのアドバイザーとして掲示された4名に問い合わせた際、同社のスキャンダルが明らかになった。全員が関与を否定し、投資家はネクストブロックに資金を返金するよう求めた。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版