ビットコイン（BTC）が新たな上昇局面に入る可能性が高まっている。アナリストらは、今後2週間以内に史上最高値を更新する確率は70%に達すると指摘している。ビットコイン研究者アクセル・アドラー・ジュニア氏によれば、市場環境は現在バランスが取れており、上昇に向けた準備が整っているという。
アドラー氏は、短期保有者（STH）のMVRV Zスコアがゼロ付近で推移している点を強調した。これは市場が過熱状態でも売られ過ぎ状態でもないことを意味する。BTCが短期保有者の実現価格をわずかに上回って推移している現状は、1〜2週間の保ち合いを経た後にブレイクアウトが起こる可能性を示唆するものだ。アドラー氏は「Uptober（10月の上昇相場）が来る」と述べ、季節的な追い風にも言及した。
デリバティブ市場もこの強気見通しを裏付けている。ビットコイン先物は一貫して現物に対してプレミアムで取引されており、7日物が30日物を上回る構造は典型的な強気トレンドの兆候とされる。ただし、アドラー氏は直近のFOMC前の取引でコストベーシスが上昇するなど、やや過熱を示すシグナルもあったと警告した。
それでも基本シナリオは強気を維持している。アドラー氏は「今後2週間は段階的な上昇か横ばいの保ち合いとなる確率が70%だ」と説明した。
一方、機関投資家の需要も市場を下支えしている。米国のビットコイン上場投資信託（ETF）は9月9日以降、純流入が28億ドルに達し、資金動向を明確にプラス圏へ押し上げている。ETF流入がBTC価格を支え、テクニカル指標も強気に傾く中、トレーダーは次の上昇局面に備えている。
一時調整か、それとも一気に12万4000ドルへ？
ビットコインは今月8.5%上昇し、FRBの利上げ決定前の10万7000ドルから11万7800ドルまで値を伸ばした。この上昇は内部流動性を取り残しており、短期的な押し目が入る可能性を示している。さらに、例年9月は弱気傾向になるという季節性もある。
とはいえ、2025年のビットコインは下落予想を覆す動きを続けている。今年に入ってからは、内部流動性レベルを飛び超え、より大きな時間軸のスイング高値やスイング安値といった外部流動性ゾーンへと動く展開が多い。7月には10万5000ドル付近の流動性を飛ばし、日足のブレイク・オブ・ストラクチャー（BOS）を確認後、新高値へ急騰した事例もあった。
現在も同様のパターンが形成されつつある。BTCが日足で11万7500ドルを上回る終値を確保すれば、新たなBOSが確認され、11万4000ドルを下回る調整リスクは大幅に低下する。この展開は、アドラー氏が示す「2週間以内の史上最高値更新シナリオ」とも一致する。
11万3000〜11万4000ドル付近のオーダーブロック再テストの余地は残るものの、マクロ環境の改善とETF流入の加速が早期の買い支えを誘発する可能性も高い。流動性ギャップと強気モメンタムのせめぎ合いが、ビットコインが一時的に調整するのか、それとも直接12万4000ドルを目指すのかを左右することになる。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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