米大手仮想通貨取引所クラーケンは欧州市場でライセンスを取得し、正式に進出することを計画している。クラーケンの共同創業者兼CEOであるジョセ・パウエル氏によると、すでに欧州でのライセンス取得に動いており、今年中にはいくつかの地域で承認を得られるという。

パウエル氏はドイツの大手経済メディアであるハンデルスブラットのインタビューで24日、複数の欧州の規制当局と交渉を進めており、その中でもマルタ、ルクセンブルグ、アイルランドなどで取得できる可能性が高いと述べた。2021年末までに取得することを目標にしているという。

クラーケンはすでに、2021年1月には欧州でモバイルアプリの提供を開始するなど、一部サービスの提供は始めている。

クラーケンの広報担当はコインテレグラフに対し、「当社は現在、英国FCAの登録事業体として欧州の顧客にアクセスを提供しており、5AMLD要件に準拠している。当社は、現在および将来にわたってコンプライアンスを維持するために、欧州の各種ライセンスの取得に積極的に取り組むなど、複数の選択肢を検討している」と語った。

クラーケンの競合であるコインベースは6月にドイツの金融規制当局である連邦金融監督局(BaFin)からライセンスを取得している。

2013年9月にサービスを開始したクラーケンは、記事執筆時点で世界第5位の仮想通貨通貨取引所であり、1日の取引量は12億ドルに達している。同社の最大のライバルであるコインベースは、4月中旬にナスダックに直接上場した。パウエル氏によると、クラーケンはコインベースのナスダックデビュー後、新規株式公開をより真剣に検討しており、同取引所は2022年末までに上場することを視野に入れているという。